アパート経営をおこなう上での一番の悩みといえば空室。
いくら利回りのよい物件でも入居者がいなければ絵に描いた餅ですよね。
しかしながら入居者がいなくても家賃が入ってくるという夢のような話しがあります。
それがサブリースです。
サブリースとは
アパートに空室が発生するとその分の家賃収入が途絶えますが、その空室リスクを代わりに負ってくれるサービスがサブリース。
当然、サブリース運営会社はリスクに見合ったリターンを求めるので、オーナーに支払われる金額は満額の家賃収入より少なくなります。
シェアハウスのサブリースで問題になっている「かぼちゃの馬車」では、そのリスクを負いつつもオーナーにはかなり良い条件でサブリースをおこなっていました。
しかしながら直近の入居率は50%をはるかに下回っているようで、とてもではないですが、利益を出せる水準ではなかったようです。
ではその原資はどこから捻出されていたのでしょうか?
その会社はアパートの売買と管理で事業をおこなっていたのですから、新たな物件を売却した利益からと考えるのが妥当ですよね。
こうなればネズミ講と一緒で、新たな物件を売り続けなければなりません。
今回は新たな物件が売れなくなったために発覚した事件です。
このようにサブリースはデメリットが注目されがちですが、当然メリットもあります。
どのような人がサブリースを選択すべきで、その時にどういうことを注意しなければならないのかを見ていきましょう。
サブリースのメリット
空室が発生しても収益は下がらない
運営会社にアパートを貸すことで毎月一定額が運営会社より支払われます。
アパートを貸して運営はお任せするという、いわば地主のような感じですね。
そのため、アパートの入居者がいてもいなくても、オーナーに入ってくる金額は変わらないというメリットがあります。
事業を丸投げできる
アパート経営は管理会社と打ち合わせをして家賃や募集条件を決めたり、他の仲介店舗へ営業する必要もあります。
しかしサブリースすると、アパートの空室をどのように埋めるか、誰を入居させるかなどについて全て運営会社が決めて営業します。
したがって、募集には全く労力は必要ありません。
また、入居者から入ってくるクレームについても運営会社が対応するので、オーナーが対応することはありません。
サブリースのデメリット
自分で運営するよりも収益は悪くなる
運営会社とのサブリース契約はは満額家賃収入の20%程度が相場です。
通常、管理業務のみ委託した場合は5%が相場ですので、15%程度は収益が悪化します。
築年数が古くなると契約金額が下がってくる
サブリース契約は長期(10年〜30年)になることもありますが、その間の契約金額は一定ではありません。
契約書上は金額を取り決めますが、賃料収入の下落や空室状況などによって契約金額が変更になることもあります。
突然の契約打ち切りや運営会社が倒産することも
契約期間中にも契約を打ち切ることは可能です。
よくあるトラブルは、運営会社からサブリース契約金額の減額を提案され、両者で折り合いがつかず、サブリース契約が解除されるというものです。
また運営会社も法人ですので、倒産のリスクもあります。
倒産後の事業が承継されない場合、サブリース契約も無効となってしまいます。
このような人にはサブリースが有効
このようにメリット・デメリットのあるサブリースですが、どのような人に有効でしょうか?
本業に集中したいので事業を丸投げしたい
アパート経営のほかに本業を持っているので、そちらを優先したいという人。
空室の募集や入居者とのやりとりなど、少なからず時間を取られますからね。
サブリースはアパートの運営を代行してくれる業者と考える場合には有効です。
アパート経営は分からないので専門の人に任せたい
相続によってアパートを引き継いだなど、これまで全くアパート経営をしてこなかったので運営に自信がないという人。
頑張ってアパート経営をやる情熱もなく、損しない程度に運営していてくれればいいと考える場合にもサブリースが有効です。
サブリースで成功するためには?
ここまでサブリースのメリット・デメリットを比較してきました。
しかしサブリースに関するトラブルはひんぱんに発生しています。
なぜなのでしょう?
サブリースというと全て運営会社へお任せできるというイメージがありますが、実際はそうじゃないということを認識できていない人が多いと感じています。
サブリースを選択する時には、以下のような注意点があることを認識する必要があります。
サブリースしても黒字になるか
サブリースするとリース料を払えばあとはお任せ!と思ってしまいますが、ここに落とし穴が。
きちんと契約書を確認すると、設備の維持管理費用についてはオーナーが負担することが明記されています。
入退去にともなう部屋の修復や設備の更新、大きなところでは建物の大規模修繕など。
サブリース契約してもこれらの費用負担はオーナーの責任です。
運営会社をよく理解した上で契約する
サブリース運営会社もいろいろあります。
大企業や零細企業など、会社の大きさの違い。
サブリースを専門にやっている会社や会社の一部門として対応しているところ。
どのくらい長い間サブリースをやってきたかという運営歴。
これらをよく見た上で、長くつきあっていける会社かどうかを見極めなければなりません。
契約金額は年数とともに減少することを理解する
サブリースの契約は長期になることが多いのですが、その間に契約金額も減少していきます。
普通のアパート経営と同様に、建物の築年数が経過すると家賃を下げなければ入居者がつかなくなってしまいます。
しかし運営会社も相応の利益を出す必要があるので、家賃の下落を理由に契約金額も下がっていくことを理解する必要があります。
おわりに
サブリースは運営会社に費用を払うことでアパート経営を代行してもらうサービスと考えるとよいでしょう。
しかし全てを代行するわけではありません。
建物の維持管理はこれまでと変わらずオーナーであるあなたが考える必要があります。
そこを理解した上で、サブリースを選択するかを決定しましょう。
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