アパート経営を失敗しないために。サラリーマンのアナタに教える不動産投資のはじめかた

不動産投資
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私がアパート経営をこれまで経験してきた中で、どうすれば失敗せずに進められたかが分かってきました。

今だから言えることも多くあります。

多くの失敗を経験して感じたことや考えたことをもとに、これからアパート経営をはじめる人に気づきを与えるような内容を伝えられればと思っています。

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私がアパート経営をはじめるきっかけ

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私がアパート経営をはじめたきっかけは資産運用を考えたことでした。

当時はサラリーマンを20年以上続けていて、給与や役職もそれなりに上がり、仕事に対しての満足感もありました。
しかしながら役職が上になればなるほど自分のやりたい事が実現できない現実を認識していくことになり、サラリーマンとしての限界を感じました。

組織として動くため、自分の裁量で、自分の責任でやれることは限られています。やりたいようにやるには自分で起業するほかありません。
起業の方法は色々あり、私の業界で言えばフリーランスでソフトウェア開発のエンジニアとして活躍する方法があります。しかしながらこの業界は長く続けるには先が見えない不安があります。年齢とともに記憶力が低下し、最新の技術を覚えていくのにも苦労していきます。

また社員を雇ってソフトウェア開発を請け負うような会社を設立することも考えられます。しかし社員を雇って会社を大きくするというのも興味が湧かないということもあり、一人で独立した仕事としてでき、年をとってもそれなりに続けていけるような事業を探していました。

そのような中出会ったのが不動産投資というアパート経営への道でした。

不動産投資は土地を持った地主がアパートを建ててはじめる方法や、サラリーマンが副業としてアパート経営をやっていくイメージがありますが、規模を大きくすることで、十分専業化することもできます。

はじめた当初はそこまで大規模にできるとは思っていませんでしたが、活動していくうちに色々な方法があることが分かり、俄然やる気が出てきました。

参照:筆者の経歴や投資歴について

アパート経営のメリット

そうやってはじめた不動産投資ですが、保有するアパートが増えていくにつれ、これは「投資」ではなく「事業」であることに気づきました。

株や債券であれば買ったあと待つだけですが、アパートは買って終わりではなく、入居者を探して住んでもらわなければ収益になりません。部屋のリフォーム、家賃設定、仲介会社へのインセンティブなど考えることは色々あります。その一つ一つを自分で判断でき、かつそれが収益に直結するのです。

これまで私が抱えてきた不満であった「自分でどこまでやるかを決められない」ということもアパート経営であれば解消できます。
先にあげた色々な判断を自分でできるというのもありますが、実際の作業も自分でやるか外注するかを決められます。というのもアパート経営の作業はほとんどが外注できるので、お金さえ出せば自分でやることは限られています。逆にそれらを自分でやることで収益の向上をはかれます。

そして一番の魅力は時間が有効に使えるということです。
空室を埋めるまでは色々な作業がありますが、部屋が埋まってしまえばやることはほぼありません。入居者の対応は管理会社へお願いするので、あとはその報告を聞いて判断するだけになります。
空いた時間を使ってもう一つの事業を起こしてもいいし、趣味に使ってもいい。自由な時間の使い方ができます。

アパート経営の目的をどこにおくか

アパート経営は体力を使うものではないので、何歳になっても続けることが可能です。実際「不動産のオーナー」と言えば70歳〜80歳くらいのおじいちゃんをイメージする人も多いでしょう。

さらにアパート経営は作業を外注化できるので、別の事業と並行する時間を捻出することも可能です。
このように柔軟におこなえる事業なので、ある程度ゴールを設定しておくことで判断のブレが少なくなります。

事業のゴールとしては大きく次のような考えがあります。

  1. アパート経営のみを事業とする
  2. アパート経営と他の事業を並行しておこなう
  3. 不動産を売却してキャピタルゲインを得る

私の場合はアパート経営をやりつつ、他の事業を立ち上げていくという(2)の考え方です。

アパート経営に向いている人、向いていない人

そうはいってもアパート経営に向いている人と向いていない人はいます。

向いている人の特徴としては

  • 借金をすることを恐れない
  • ダメでもチャレンジし続けられる
  • 失敗を他人のせいにしない

アパート経営は初期投資額が大きいので、自己資金だけではじめられる人は限られます。そのため、借金に対する考え方が一番大きな要因になることが多いでしょう。

逆に向いていない人の特徴としては向いている人の特徴と逆なのに加え、

  • 様々な人とコミュニケーションするのがめんどうと感じる
  • 空室が発生して収入が減ると不安

というものがあります。

アパート経営は多くの人とコミュニケーションをとる必要があります。売買の不動産業者、銀行員、税理士、管理や賃貸仲介の不動産業者、リフォーム業者、プロパンガス業者、火災保険の会社など。物件ごとに担当が異なる場合には、さらに多くの人とやりとりが必要になります。

またアパート経営の売上は月の変動が少ないとはいえ、空室が発生すると確実に収入は減ります。サラリーマンの場合、働けば毎月安定的に収入を得られていたのと比べると不安になる人もいます。

そのような人だとアパート経営を続けていくのは難しいでしょう。

失敗しないアパート経営 3つのはじめ方

アパート経営の始め方は色々ありますが、代表的なのは以下の3つです。

  • 区分マンション
  • 一棟アパート
  • 戸建

それぞれ戸数や敷地面積によって規模が異なりますが、区分マンションや戸建は自己資金でもはじめることができるため失敗のリスクが限定的です。

一棟アパートの場合は必要な資金が1千万を超えてきますので、普通のサラリーマンだと現金で購入するわけにはいかず、銀行からの融資で購入することになり、失敗のリスクも上昇します。

自分のリスク許容度に応じた手法を組み合わせて、限りなく失敗のリスクを低減するための戦略が必要となってきます。

区分マンション

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区分マンションとは、ある分譲マンションの一室のことを指します。

分譲マンションは購入者自身の住まいを目的とする実需向けがほとんどですが、賃貸目的で購入する投資家向けに建設された投資用マンションもあります。

投資用マンションは利回りを高くするために間取りがワンルームであることが多いです。

また実需向けに建設されたマンションの一室を購入して投資用に貸し出す場合や、実需向けのものが売りに出て、投資用に買われるケースもあります。

それらを新築や中古で購入し、入居者に貸し出すことにより収益を上げていく手法です。

特徴
新築 利回りを上げるためにワンルームマンションが多い。転売する場合はかなりの値引きが想定され、価格下落リスクが高い。

また手残りはほとんどなく、毎月の手出しが必要なケースも有る。

中古  ワンルーム、家族向けなどさまざま。価格がそれなりにこなれているので、値下がりリスクは少ない。

区分マンションの投資規模は数百万円から数千万円になり、投資額が低ければ現金投資でアパート経営をはじめることもできるため、失敗のリスクが限定されるというのがメリットとなります。

ただし規模が小さいため、あまり大きな収益は期待できないということと、新築の場合はほとんど儲からず、むしろ毎月の持ち出しが発生してしまうこともあります。

失敗のリスクは少ないですが、大きく儲けるのが難しいのが区分マンションです。

しかしやり方次第では拡大していくことは可能です。

区分マンションの詳しい内容については以下の記事も参考にしてください。

参照:【アパート経営】区分マンション投資の一般的な資産拡大方法とは?

一棟アパート

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アパート一棟を購入して賃貸用に貸し出していきます。

アパートといっても構造としては鉄筋コンクリート、重量鉄骨造、軽量鉄骨造、木造があります。

また規模も様々で、2〜3戸から何十戸も収容できるアパートもあります。

一棟アパートは物件規模も大きく(数千万円から数億円)、普通の人が現金で購入できることは稀です。

基本的には銀行から融資を受け、入居者からの家賃を原資に銀行への借り入れを返済していくことになります。

一棟アパートのメリットは、区分マンションに比べて収益性が高いことです。

また規模も大きくなるため、空室が発生したとしてもその他の部屋の収入でカバーできることです。

デメリットとしては規模が大きいために必然的に銀行からの融資が必要になり、投資家本人に銀行から借り入れられる属性が必要になるということです。

資産を拡大するためには最短の一棟アパートですが、投資規模が大きい分失敗のリスクも高まります。

一棟アパートの詳しい内容については以下の記事も参考にしてください。

参照:【アパート経営】一棟アパート 4つの種類と特徴とは?

戸建て

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戸建てとは、格安の戸建て物件を現金で購入していく手法です。

戸建てで格安の物件は稀に出てきますが基本は築古の物件です。

そのためリフォームなどが必要となってきますので、リフォーム費用の見積りやら見えない修繕リスクの想定やら、それなりのノウハウが必要となってきます。

ただし現金で購入できるため、失敗のリスクは限定されます。

収益性の高い物件を購入し、上手にアパート経営することでキャッシュを蓄積することも可能となります。

私のはじめ方は?

当初アパート経営についてあまり知識がなく、銀行融資ではじめることができるということも知りませんでした。

業者のセミナーに参加して情報収集していましたが、業者は売ることが目的であるため、偏った知識しか集めることができなかったと反省しています。

その時の経緯はこの記事にまとめてあります。

そんな中でも区分マンションではなく、一棟アパートを買うことである程度の規模を確保することができたことは幸運だったと思います。

ただそれでも悔やまれるのは、もっとうまく融資をひくことができれば10億円以上借りれることを後で知ったことです。

本を読むことで自分のステージを引き上げよう

不動産投資に関する本は多く出ています。

良書と言われる本は何冊かありますが、あまり区別せずにたくさん読んだ方がいいと思います。

1冊せいぜい2千円ですし、ブックオフで買えば100円のものもあります。

とにかく多くの情報を仕入れ、自分の知識レベルや考え方のステージを上げましょう。

これから相手することになる不動産仲介業者は物件を売買することを生業としています。

運営シミュレーションなどで甘い未来を見せますが、極論売ってしまえば成功か失敗かはお任せと言う人も多いため全ては自己責任です。

そのような人たちに負けないようなメンタル(知識も若干)が必要になってきますので、そのためにも先人達の経験談をインプットするのは有効です。

参照:アパート経営を始めるにあたって読んでもらいたい本

コミュニティへの参加で情報入手経路を広げよう

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不動産投資に関するコミュニティはたくさんあります。

自分の場合はコミュニティに属する前に購入してしまったため後の祭りでしたが、リアルタイムな情報や実際の経験談を聞けるのはとても有効です。

こちらも本の効用と同じく、自分のメンタルが変わっていくことが実感できます。

最初は業者のセミナーや懇親会でもよいので参加し、そこに出席している他の参加者と積極的に交流しましょう。

その中には大きく成功している人、失敗をはねのけて前に進んでいる人、失敗して後悔している人など様々です。

それらの人たちと交流し、何をすれば成功できるのか、どのようなことに気をつければ失敗を避けることができるのかを知り、自分の行動に反映させることです。

あなたの人生を変える出会いが必ずあります。

チャレンジを繰り返す

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条件の良い不動産はライバルと取り合いになります。

買う気になった物件に買い付けを入れたとしても、買える確率は限りなく少ないです。

他の購入者に先に買い付けを入れられることはザラにありますし、銀行に融資を打診してもなかなか通りません。また、自分の考えている利回りになるよう指値交渉しますが、うまくまとめるのはなかなか難しいです。

しかしながらこれであきらめてしまうといつまでも買うことはできません。

不動産を買うのは「千三つ」と言う言葉があります。

  • 1000件の物件をチェックして、
  • 100件の気になる詳細を確認し、
  • 10件の買い付けを入れて、
  • 3件土台にのせる

さらに銀行融資を受けるために何行も打診し、やっと購入に至るという道のりになるでしょう。

それでもアパート経営は買う時の条件で7割がた収益性が決まってしまいます。

ここで妥協せず、ひたすら自分の考えた条件でチャレンジを繰り返しましょう。

1年間運営してきて思ったこと

2016年よりアパート経営をおこなってきて、やっと1年間の運営実績ができました。

その中で思ったことをいくつか。

思いのほか運営に手間がかかる

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アパートオーナーは「ヒマ」というイメージがありましたが、結構運営に手間をかけています。

満室になると違うのかもしれませんが、地方物件は客付に苦戦していて仲介会社への連絡が欠かせません。

管理会社へ丸投げできればいいのですが、周りの物件もそれなりに空室が発生しているので、自分の物件だけ優先して扱うことはできないのは理解できます。

そのため、物件近くの仲介会社へは定期的に訪問することと、1週間単位での電話連絡を自分でおこなっています。

その成果はそれなりに出ている感触はあります。

半年間管理会社へ丸投げしていた時は5室空室のまま進展がありませんでしたが、自分でも動くようになって内見や申し込みが入ってくるようになりました。

家賃なども周辺の相場を逐一チェックしつつ、細かな調整をおこなっています。

サブリースという選択肢もあったのですが、収益性を第一に考えていたので自身での運営を続けていこうと考えています。

参照:「サブリース」があると事業は失敗しないのか?

地方物件は利回りがよいですが、空室対策には時間と費用がかかります。

それを惜しむと狙ったキャッシュフローが出せずに失敗に終わってしまいます。

建物修繕費の大幅出費で経営にダメージ

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ある雨の日に、共用廊下の天井の水漏れを発見しました。

調査したところ、屋上防水が切れていたために雨が浸水していました。

その他にガラスのひび割れ、火災報知器の故障などもあり、なかなかイベントに事欠かない一年でした。

水漏れについては躯体への影響もあるので早急に対応する必要があります。一部の外壁塗装と合わせて施工したため、400万円ほどの出費となりました。

しかしこれについては購入前に綿密に調査すれば分かったことでした。

外壁や屋上防水についてはどうしても金額が大きくなってしまうため、経営へ多大なインパクトを与えてしまいます。

購入時に合わせて融資を引くか、売主に交渉して施工してもらうかを十分考えておく必要があります。

また、今後も10年単位で修繕費が必要になってきますので、そのための資金調達(貯金)は必須になります。それらも合わせてキャッシュフローを計算していく必要があります。

今回の件は手持ちのキャッシュがあったため致命的な失敗とはなりませんでしたが、購入前はよほど慎重に調査する必要性を痛感しました。

表面利回りどおりに推移しない家賃収入

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高利回りを求めて北陸地方(金沢市、福井市)にもアパートを所有しています。

金沢市のアパートは入居率が75%と苦戦していて、ローン返済と合わせるとキャッシュフローはマイナスの状態です。それに加えて大きな修繕費用が必要になりましたので、年間をとおして持ち出しでした。

福井市のアパートは入居率96%でしたので年間キャッシュフローとしてはプラスで終わりました。しかしながらこちらのアパートはRCのため、固定資産税の額がハンパなく高いです。

福井市のアパートは年間100万円程度のキャッシュフローは固いと考えていましたが、結局のところ修繕費も諸々必要となり、気持ち程度のプラスにしかなっていません。

参照:一年間を通したアパート経営の経費振り返り

購入時に計算していた表面利回りはあくまでも「表面」であって、実際にはそれ以外の要素で大きく収支が変わってくることを実感しました。

購入時から長期的な視点で考えなければ、結構なビハインドとなってしまうことを実感した物件です。

参照:アパート経営を失敗しないための長期戦略の立て方

参照:地方アパートでの管理に失敗しないための行動

参照:管理会社選びのポイント

おわりに

失敗しないアパート経営のはじめ方を3つに分類しました。

自分の属性と資産背景を踏まえて、納得できるはじめ方を選択しましょう。

私自身はキャッシュフローの増加をねらって一棟アパートを買いすすめてきましたが、思ったとおりのキャッシュを得ることができておりません。

戦略は正しいがその他の要素で失敗したと感じています。

参照:私が感じたことと後悔したこと

昨年はとにかく空室を埋めるために外壁塗装や屋上防水で物件の価値をあげることに注力しました。

また別の物件でも空室が発生するとリフォームを実施していました。

これらの成果が今年に現れると信じて、さらに各地の管理会社や仲介会社と連携して満室運営を目指していきます。

 

満室になったあとに何をするのか?
ということが今後の課題ですが、これまで空室発生後のリフォームを少しずつ自分でおこなってきました。

壁紙やフロアタイルの施工はまだやっていませんが、これらについても自身で実施していきたい思いが強くなっています。

そう考えると、古めのアパートを土地値以下で安く購入し、自分でリフォームして満室に持っていくような賃貸経営が向いているのではないかと思っています。

現在は銀行融資がかなり厳しくなってきましたが、これまでの運営実績をしっかりアピールして、更に事業を拡大していきたいと考えているところです。

 

アパート経営では大きな金額が動きますので、知識の差によって数百万円、時には数千万円の差が出てきます。

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