まあまあの頻度で発生するアパートの内装リフォーム。
この内装リフォームの目的は大きく2つあります。
- 部屋の原状回復
- 客付けの競争力アップ
この内装リフォームは管理会社へ丸投げしている人も多いと思います。
以前は私もそうでした。
しかし不動産投資の勉強をつうじて、かなり無駄に出費していたことが分かってきました。
この記事は次のようなかたにおすすめです。
- これから不動産投資をはじめる方
- はじめたばかりでこれから原状回復工事をおこなう方
- 内装リフォーム項目の決め方がわからない
- 内装リフォームの費用感が知りたい
- 内装リフォームの費用を削減したい
いますぐ不動産投資の勉強をはじめようと考えている方はファイナンシャルアカデミーの体験学習会もおすすめです。
部屋の原状回復と費用相場
ハウスクリーニング
退去後の部屋はあちこち汚れています。
床や壁紙はもちろんのこと、キッチン、バス、トイレなどの水回りなども。
拭くだけではとれない汚れも多いのでハウスクリーニングを依頼しています。
もちろん自分でハウスクリーニングすることも可能ですが。
しかし中には頑固な汚れもあるので素人だと相当な時間がかかります。それにプロ用の道具や洗浄剤が必要になったりするので、意外と手間や費用もかかります。
それであればおそうじ本舗 などの専門の業者にお願いしたほうが仕上がりも綺麗ですし、結果的に時間や費用も削減できます。
費用は地域によっても違いがありますが、私がお願いしている業者だと次のような費用感です。
部屋の広さ、タイプ | 費用の相場 |
---|---|
1R、1K | 2万円〜2.5万円 |
1LDK、2DK | 2.5万円〜3万円 |
2LDK、3DK | 3万円〜4万円 |
管理会社にお願いした場合はこれに5千円ほど上乗せされている感じですね。
壁紙の交換
入居期間が5年程度であれば壁紙もあまり汚れておらず、ハウスクリーニングだけで再度貸し出せます。
でも入居期間が10年以上となると壁紙の交換が必要なことも。
壁紙の交換費用は次の項目で決まります。
- 壁と天井の広さ
- 壁紙の単価
壁と天井の広さは床面積とほぼ比例し、全て貼り替えると床面積の2倍〜3倍の大きさになります。
壁紙の種類はとても多いのですが、その中でもよく使われているのがサンゲツ。
SPシリーズというのが一番安いタイプで、以前は白しか選択肢がありませんでした。
他の色を選ぶと若干料金が高めになっていたのです。
しかし2018年から新しい色が加わり、割増料金なしで部屋の雰囲気を変えられるようになりました。
もちろん、ポイントとなるところはアクセントとして別の高級な壁紙を選択してもよいと思います。
壁紙の交換費用は1㎡あたり900円~1,500円で依頼することが多く、SPシリーズ以外の壁紙だと3割ほど割増になる感じです。
床材の交換
床材も壁紙と同様、広さと材質によって費用が決まります。
アパートの床材は大きく次の4種類が使われています。
- クッションフロア
- フロアタイル
- フローリング
- 畳
洋室の場合は「クッションフロア」「フロアタイル」「フローリング」のいずれかですが、その中でも一番安いクッションフロアがよく使われています。
和室の場合は畳です。
一般的にはい草の畳なのですが、ポリプロピレン製の畳もあります。
い草の畳は退去時に表替えが必要なので入居者から避けられる傾向にあります。
しかしポリプロピレン製の畳であれば汚れを拭き取れるので表替えが不要というメリットがあります。
床材のリフォームについてはこちらで詳しく解説しています。
客付けの競争力アップ
原状回復で部屋の状態を元どおりにするだけではなく、最近の流行に合わせて客付けの競争力をアップさせることも重要です。
どのようなことが競争力アップに繋がるのかというと、
- 間取りの変更
- 人気設備の導入
- スポット的な工夫
などがあげられます。
それぞれ詳細に説明していきます。
間取りの変更
築古のアパートに多いDK(ダイニングキッチン)タイプの部屋。
しかし最近建てられたアパートの多くはLDK(リビングダイニングキッチン)の間取りを採用していますね。
家賃相場を見ても、同じ床面積でDKよりもLDKのほうが高い家賃設定になっています。
これらのことより多くの人がLDKを求めていることが分かります。
しかしDKとLDKの違いといえば床面積だけ。
次の広さがあればLDKと表記できるのです。
部屋タイプ | 条件 |
---|---|
1LDK | 床面積が8畳以上 |
2LDK以上 | 床面積が10畳以上 |
そこで床面積を広く取れるよう、間取りを変更します。
ダイニングと洋間を仕切っているのは「間仕切り」。
間仕切りは石膏ボードやベニヤ板で作られていて壁紙が貼られているだけ。
床にはふすまのレールがありますが、それも取り払って床材でつなげればフラットになります。
これら全てを取り払うとダイニングと洋間がつながりLDKになります。
工事費の相場は10万円〜20万円程度でしょうか。
間仕切りを取り払うだけであれば10万円以内でも可能ですし、間仕切りを取り払わず、ふすまのレールだけ埋めてしまうのであればさらに安く仕上がります。
実際私のアパートでも2DKを1LDKに、3DKを2LDKに間取り変更しました。
家賃は2千円〜4千円ほど高めにしましたが、DKの部屋より先に決まる傾向にあるので、効果は高いと実感しています。
人気設備の導入
客付けを有利にすすめる上で欠かせないのが部屋の設備。
あなたの部屋も空室になると賃貸サイトで募集されますが、同じような部屋の広さ、間取りで家賃もあまり違わない部屋がずら〜と並んでいるのを見ているはずです。
この中からどうやって自分の部屋を選んでもらうかというと、絞り込みされた検索条件でも残るような設備を導入することです。
賃貸サイトで導入されている設備の検索条件は次のようなもの。
- エアコン
- 温水洗浄便座
- 浴室乾燥機
- TVモニタ付きインターフォン
- インターネット無料
エアコンは必須で、温水洗浄便座とTVモニタ付きインターフォンは費用対効果も高いので必ず導入したい設備です。
費用もそんなにかかりません。
自分で設置できればさらに安く仕上がります。
インターネット無料のアパートも人気が高め。
自分でインターネット回線を引くと毎月5千円以上かかってしまうこともあり、家賃が少々高めでも入居してもらえます。
アパート全体にインターネット回線を導入するには初期費用のほかに、ランニングコストも必要なので慎重に検討が必要ですが。
DIYでスポット的な工夫も
それ以外に細かな部分も交換しました。
募集に有利になるというのもありますが、入居中に壊れないようあらかじめ交換しておく意味もあります。
入居中に壊れてしまうと業者にお願いしなくてはならないので、結果的に費用は抑えられています。
ダイノックシート
私が持っているアパートは築古が多いので、キッチンやシューズボックスの天板が剥げてしまっていることもあります。
いっそ交換してしまうという手もありますが、ダイノックシートを貼るだけで見た目が劇的に改善します。
特にキッチンの天板は面積が大きいのでインパクトがあります。
募集にも有利になるのでためしてみてはいかがでしょうか。
コンセントプレート交換
昔のコンセントプレートはクリーム色が多く使われています。
白い壁紙にくすんだクリーム色のコンセントプレートだと築古感が抜けません。
そこで最近のコンセントプレートに交換します。
おすすめは真っ白のものです。
慣れてしまえば交換は簡単なので、私の部屋では必ず取り替えています。
それだけで部屋が新しくなったように感じます。
LED照明
昔は入居者が電灯を買ってきて取り付けるのが主流でしたが、最近は部屋に取り付けてあるのが普通です。
最初から取り付けていると部屋の設備になるので、故障時には大家が交換しなければなりません。
そのため故障しにくいLEDタイプのシーリングライトは重宝しています。
寿命は10年程度ですので、費用対効果は抜群です。
ドアクローザー交換
内見時にはあまり意識されていないものですが、ドアクローザーの交換もしています。
特に公団タイプの鉄筋コンクリートマンションでは重要です。
鉄のドアが使われており、ドアクローザーが劣化しているとドアがバタンと大きな音をたてて閉まります。
かなり不快な音なのですが、ドアクローザーを交換するだけでピタリと止まります。
まとめ
アパートの内装リフォームの費用相場と削減方法についてご紹介しました。
内装リフォームの際には次のことを考えて取り組みましょう。
- リフォームの目的を明確にして無駄な投資をしない
- 安い業者と継続的な関係を作って費用低減
- 長期に使えるものは高くても導入することで利回り向上
- 自分でできることはやってみて相場観を掴むことも大切
築古アパートは利回りも高いけど修繕費も高め。
しかし修繕費を低く抑えられれば大きなキャッシュフローが得られます。
知恵と工夫と努力で頑張りましょう。
アパート経営をこれからはじめるかたはこちら
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