これまで物件の清掃や設備搬入に使っていた車が2ドアのオープンカーだったため、何かと不便でした。
そのため車を買い換えようと思っていましたが、消費税還付を受けたキャッシュが法人口座に留まっており、それを使った時の話しです。
法人から利益移転させた方法は?
単に法人で車を買うだけでは減価償却費を使った節税ですが、同時に個人の車を売ることによって、結果的に無税で個人の所得とすることができました。
これまでの車は中古車で5年乗っていて10年選手となっていましたが、人気車であったためそこそこの金額で売ることができました。新しい車は中古のワゴン車で3年落ちでしたが、差額10万円で買うことができました。
通常法人の利益を移転するためには個人へ給与や賞与の支払いが必要となり、その際に所得税を支払う必要があります。
今回は1回限りのスキームですが、個人の車を売って新たに法人で購入することで、200万円を無税で移転することができました。
その応用技として今後使えそうな節税スキームとして、利益が出そうな場合に新たに車を買い換えるというものです。今の車より高額な車を買って、その分の減価償却を利益と相殺させるというものです。
車を売った場合は売却益に対して課税されますが、リフォームなどの設備投資と同時におこなうことによってうまく節税することができます。
減価償却費の計算方法
車の減価償却費の償却期間は以下のとおり求めます。
- 新車で取得した場合、償却期間は6年
- 中古車を取得した場合の償却期間は以下の計算式
- 耐用年数(6年)が経過しているもの:新車の耐用年数の20%に相当する年数(つまり1.2年→1年(1年未満の端数は切り捨て)
- 耐用年数(6年)が経過していないもの:(新車の耐用年数-中古車の経過年数)+経過年数×20%
車の初年度登録が平成26年12月であったため、中古車の経過年数は2年7カ月(31カ月)でした。
減価償却の償却期間を計算すると (72-31) + 31*0.2 = 41+6.2 = 47.2(カ月)= 3年(1年未満の端数は切り捨て) となります。
車は法人所有ですので定率法で償却します。
購入金額は200万円で償却率が0.667なので、初年度は133.4万円の減価償却費を計上することができます。
これが4年落ちの場合だと (72-48) + 48*0.2 = 24 + 9.6 = 33.6(カ月) = 2年(1年未満の端数は切り捨て)での減価償却となります。
償却期間が2年の場合は初年度の償却率が1.000なので、全額減価償却費として計上することができます。
更に期首に取得した場合はその年度に全額を経費化することができます。
キャッシュアウトに注意
しかしながら実際にキャッシュアウトが発生するため、資金繰りが厳しい企業にはおすすめできません。
また、車の年数が経過すると売却金額が落ちるため、できるだけ価値の下がらない中古車を選ぶ必要があります。
なにかと節税で話題になる4年落ちのベンツですが、タイミング良ければ1年でほぼ償却できることと、中古市場では人気があるためなかなか価値が下がりません。
よって、資金が必要になった場合に現金化できるというメリットがあります。
維持、メンテナンス費用も経費に
不動産投資に車は必需品です。
新たな物件を確認するときや、今の物件で作業するときなど。
ちょっとしたリフォームを自分でできるようになるとそれだけで元が取れてしまいます。
アパート経営の経費でもご紹介しているとおり、事業活動で使う場合は車の維持、メンテナンスにかかる費用も経費です。
- ガソリン代
- 有料道路の利用料金
- 任意保険料
- 自動車税
- 駐車場料金
- 車検費用
車を持っているサラリーマンは自分の給料から払わないといけないのですが、不動産賃貸業をやっていると家賃収入から差し引けます。
年間にすると50〜100万円くらいでしょうか。
サラリーマン大家にとっては大きな節税効果ですよね。
まとめ
- 法人で車を所有したため、減価償却費として利益と相殺することができる。税率を30%だと考えると、200万円を60万円引きで購入できたのと同等の効果がある
- 個人の車を売却して購入した車は法人所有としたため、売却金額は個人のものとすることができた。結果的に法人から利益を無税で移転できたと同様の効果があった
- 次に売却するときは法人の利益となるため、1回限りのスキームです。
もちろん個人事業主でも車の購入費を経費にできます。
その場合も法人と同様、購入費は一旦資産として計上し、毎年減価償却費として経費計上することになります。
でも税理士にお願いしないとなにかと面倒な資産の計算。
でもfreee
を使えばそれらを自動で計算してくれます。
大事な費用の計上漏れをカンタンに防ぐことができるのです。
ぜひお試しください。
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