大家になるには?アパート経営のはじめかたと仕組みづくりのポイント

不動産投資
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大家になるにはどうしたらいいのでしょうか?
アパート経営で不労所得を得たいという人は多いですが、実際に行動にまで移す人はわずかです。

自分では何もせずに毎月家賃が振り込まれ、自由な時間を過ごせることを想像してみてください。

  • 趣味であるゴルフを平日思う存分楽しめる
  • 時間や場所を気にせず、長期間旅行に出かけられる
  • 毎日満員電車に乗ることもなく、自分の家でビジネスができる

これまで時間やお金がなくてできなかったさまざまなこと。
誰にも気兼ねせずに思い切り楽しめます。

でもちょっとまってください。
アパート経営で不労所得を得られるって本当の話しなのでしょうか?

本記事ではアパート経営のはじめかたを解説し、不労所得を得るのに必要なことについて説明していきます。

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アパート経営で大家がやること

アパート経営は不動産投資とも言われますが、住居を他人に貸して家賃収入を得るという不動産賃貸事業です。

株式投資では株式を購入したあとは特にやることはありません。
しかしアパート経営はアパートを購入したのちに、入居者の募集・管理や建物の維持管理など、それぞれ実際の作業が必要になります

アパートを準備する

大家になるには貸すためのアパート(住居)を準備する必要があります。

アパートを準備する方法としては次の2つ。

  • 新しく建物を建設(新築物件)
  • 既にある部屋や建物を購入する(中古物件)

アパートは現金で買うこともできますが、株式投資などと異なって、金融機関から融資を受けてローンで買うことも可能です。

事業目的で考えるのであれば、資金を有効活用するためにもローンで購入することをオススメします。

入居者の募集と要望に対する対応をおこなう

アパートが準備できたら入居者を募集します。

間取りによって入居希望者は異なります。
ワンルームであれば一人暮らしの人が対象になるし、2LDKや3LDKであれば家族で入居する人が対象になります。
自分のアパートの間取りを考え、どのような人が入居希望者となるのかを明確にしましょう。

入居後は毎月の家賃を徴収します。それ以外に住居に不具合があった時など、入居者の対応が随時必要となります。

建物を管理する

アパートは定期的な点検や修繕が必要になります。
アパートの種類(木造、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造)によっても使える年数や修繕にかかる費用が異なります。

特に大きな出費となるのが屋上防水や外壁塗装などの大規模修繕です。
長期的には必ず必要となる金額ですので、計画的に資金を確保する必要があります。

その他にも突発的な修繕が発生します。
雨漏りが発生したり、給排水管が故障したり、様々な事象が発生します。
それらについて即座に対応し、建物の価値を維持していかなければなりません。

大家になるためにアパートを建てる、買う

入居者に貸すための住居となるアパートは、土地と建物で構成されています。
通常はそれぞれ購入して所有しますが、借りて又貸しするという選択肢もあります。

今回は購入して所有することを前提に話しを進めます。

アパートの種類

アパートの種類には大きく以下の3つがあります。

  • 戸建て:一戸建ての家屋を貸し出します
  • 区分マンション:分譲マンションの1室を所有し貸し出します
  • 一棟アパート:複数世帯が入居できる建物(集合住宅)を所有し貸し出します

さらに一棟アパートは構造によって以下に分類されます。

  • 木造
  • 重量鉄骨造
  • 鉄筋コンクリート

木造は建設費用や維持管理費用は安いのですが耐用年数が短め。
また、入居者には音が漏れるなどの問題で避けられる傾向があり、家賃は低めに設定することになります。

鉄筋コンクリートは建設費用や維持管理費用は高いのですが耐用年数が長め。
入居者にも好まれる傾向があるので、家賃を高く設定することができます。

重量鉄骨造は木造と鉄筋コンクリートの中間の特性を持っています。

アパートを購入する

アパートを購入する方法は新築物件と中古物件で異なります。

新築物件の場合は土地の入手から、建物の設計、建築業者の選定まで一連の手配が必要になります。
事情が分かっていれば全て自分で手配できますが、業者の選定や内容の吟味など、豊富な知識と経験が必要です。
したがって、これらを得意とする不動産会社にお願いする場合がほとんどです。

既に新築で立っている、もしくはパッケージとして提供されているものを購入するという方法もあります。
土地・建物ともに建売業者が提供し、既に建設されているものを確認することも可能ですので安心感があります。

中古物件の場合は不動産仲介業者からの紹介で入手するのが一般的です。
現物があり、既に入居者もいるので実績があり安心です。
しかし中古ですので、様々な故障が発生する可能性もあります。
それらを確認し、妥当な値段で交渉する知識と経験が必要な購入方法です。

アパートの購入方法をまとめると以下の3つとなります。

  • 自分で土地の入手から設計業者、建設業者までを選んで立てる(難易度高)
  • 既に新築で立っているもの、これから立てるものをパッケージとして購入(難易度低)
  • 中古物件を不動産仲介業者経由で購入する(難易度中)

アパート購入資金の調達

戸建てや区分マンションは少額なので現金でも買えます。
しかし一棟アパートだと数千万から数億円の資金が必要なため、金融機関から融資を受けて購入するのが一般的です。

融資が受けられる金融機関は次のとおり。

  • ノンバンク(オリックス銀行、三井住友トラスト&ファイナンス)
  • アパートローン(スルガ銀行、静岡銀行)
  • プロパーローン(都銀、地銀、信用金庫、信用組合)
  • 日本政策金融公庫

金融機関から融資を受けるには審査をとおる必要がありますが、金融機関によって重視するポイントが異なります。

購入する物件と自分の属性を鑑み、

  • どの金融機関で借りることが可能か
  • どのように借りると有利なのか

を見極めて持ち込まなければなりません。

入居者の管理

アパートを入居者に貸して毎月家賃をもらうことでアパート経営は成り立っています。
とにかく空室をなくし、高い家賃を維持することが儲かるアパート経営の第一歩です。

入居者の募集

入居者が部屋探しをする場合、不動産仲介業者経由で探します。
今はインターネットでの部屋探しがほとんどで、直接不動産屋で選ぶということは少なくなりました。
できるだけ広く不動産仲介業者に紹介し、インターネットの賃貸サイトへ掲載を促進してもらうことで、入居希望者への認知度を高めていく必要があります。

入居希望者が重要視する一番の要素は何といっても家賃です。
自分のアパート周辺で募集している部屋の築年数や構造、間取りを見て、どのくらいが妥当かを判断して家賃を決めます。
アピールポイントが多いアパートであれば高い家賃でも入居希望者がいます。
しかしアピールポイントの少ないアパートでは家賃を下げて入居者を決めていかなければなりません。

アピールポイントは資金を投入して高めていくこともできます。
資金を投入すればアピールポイントも増えますが収益性が落ちてしまいます。
費用対効果を考え投資判断をおこなわなければなりません。

入居中の対応

入居者が決まってしまえば毎月の家賃を回収することが主な作業となります。

しかし入居者からのクレームは随時入ります。
設備に関するトラブルや周りの入居者に関することなど、それらを随時解決していかなければいけません。

設備に関するトラブルであれば修理や交換が必要です。
周りの入居者に関することについては状況をヒアリングし、解決方法を探っていかなければなりません。
何れにしても対応がまずいと退去につながってしまいますので、慎重な対応が必要なのです。

建物の管理

建物はアパート経営の中で大変重要な資産です。
この資産を有効に活用することでアパート経営の儲けが決まります。

できるだけ長く、快適に過ごせるよう、定期的なメンテナンスや修繕をおこなわなければなりません。

建物・設備の維持・管理

建物は定期的な清掃が必要です。
人が生活している場所なのでゴミが必ず発生します。
部屋の中は入居者が管理しますが、共用部はオーナーの責任です。

主な共用部として共用廊下、庭、ゴミ集積所、駐車場などがあげられます。
それらについて定期的な清掃はもちろんのこと、問題があれば随時修繕などが必要になります。
庭がある建物であれば雑草の処理なども必要です。

建物の外壁と屋上は定期的に大規模修繕が必要です。
規模にもよりますが、10世帯程度のアパートだと500万円程度は必要になる場合もあります。

建物に付属している設備の受水槽、消防設備、エレベーター、機械式駐車場なども定期的な点検が必要です。
特にエレベーターや機械式駐車場はランニングコストも大きいので、運営費を考える際には必ず考慮に入れましょう。

部屋の維持・管理

部屋の中は入居者が管理しますが、部屋の中の設備が故障した場合はオーナーの責任で修繕が必要です。

また退去が発生した場合には、部屋の原状回復や、あまりにも古い場合にはリフォームが必要になることもあります。

原状回復やリフォームでは主に以下のような内容を実施します。

  • 壁紙、床の交換(5年〜10年周期)
  • キッチン、浴槽の交換(20年周期)
  • エアコン、給湯器の交換(10年周期)
  • 人気設備の導入(温水洗浄便座、シングルレバー水栓、TVモニター付きインターフォンなど)
  • 和室の洋室化
  • 間取り変更(DKをLDKにするなど)

不労所得を得るためには?

これらの仕事を自分でおこなう場合、費用は備品代しかかかりません。
しかし世帯数が多くなると対応できる時間も限られてくるし、本業が別にある場合などはさらに難しくなります。

そこでこれらの作業を外注することで、自分は判断のみに集中することができます。
自分でおこなう作業がなくなることで、実質的な不労所得を手に入れることができるのです。

入居者管理(PropertyManagement)

入居者の募集や管理については不動産管理会社にお願いすることで実際の作業は不要になります。

入居者の募集では募集条件(家賃や設備、広告費等)を指示することで、あとは成約を待つだけとなります。
しかし反応が薄い場合は募集条件の変更や、募集会社自体の変更も考える必要があります。

既存入居者からの要望やクレームも不動産管理会社が受け付けます。
コールセンターを持っている大手の不動産管理会社であれば24時間対応も可能です。
入居者から連絡を受けて調査や修繕などを実施しますが、実施の判断はオーナーがおこないます。
費用が必要な場合もありますし、オーナーが別の業者へ依頼することもありえます。
何れにしても実際の作業は不動産管理会社や業者がおこなうので、オーナーであるあなたはその実施判断を求められるだけとなります。

こう見ていくと非常にラクですが、不動産管理会社へ丸投げすると高額な費用を請求されることもあります。
不動産管理会社の収入源としては家賃収入の3%〜5%の管理費ですが、その他にもリフォーム業者などへ発注する際のマージンもあります。
不動産管理会社としては高い修繕を実施してもらうほうがマージンも多くなりますし、部屋のグレードがアップして家賃を上げることもできます。

それら必要となる費用の相場を知り、どこまで実施するのかを自分で見極めなければなりません。
そうでなければ高額な費用を請求され続け、アパート経営で儲かることはできなくなってしまいます。

建物管理(BuildingManagement)

不動産管理会社でおこなうのは定期的な清掃や設備のメンテナンスにとどまります。

建物や設備に不具合がなければよいのですが、特に中古物件では何らかの異常が発生します。
それら異常に対しての対応は不動産管理会社へお願いすることが多いでしょう。
しかしこの場合も先のリフォーム業者への発注と同様、不動産管理会社を経由することでマージンが発生します。

建物管理で大きな費用が発生するのは大規模修繕です。

屋上防水や外壁塗装は10年単位での実施が必要となります。
そのための資金調達はもちろんのこと、信頼できる施工業者を確保する必要があります。
もちろん不動産管理会社も施工業者を抱えていますが、その内容や費用が妥当かは、オーナーであるあなたが判断しなければなりません。

妥当な価格かどうかを判断するためにも相見積もりで相場を知り、不動産管理会社と適度な緊張感を保つことが重要です。

大家の仕事は仕組みづくりで効率化できる

これまで見てきたように、アパート経営は黙っていて収入を得られるものではありません。
不労所得というより、逆に大変な労力が必要となります。
それを不労所得に変えるのは管理を外注する仕組みです。

外注すると自分の時間が確保できます。
外注の方法は確立されており、不動産管理会社を中心に様々な手段を取ることが可能です。
確保した時間で更に規模を拡大することもできるし、アパート経営を副業と割り切って本業を頑張ることもできるのです。

しかし外注するには費用が必要です。
入居者の管理、建物の管理ともに、それぞれ専門とする業者が存在します。
しかしその業者も利益を確保するために活動しているのであり、自身でおこなうよりは高い費用となってしまうことは必然です。

費用をかけても儲かるアパート経営をおこなうためには、アパートを安く手に入れるのはもちろんのこと、税金に関する知識や費用を抑えるためのテクニックなどを知る必要があります。

アパート経営は知識がそのまま収益につながります。
それらを体系的に学び、儲かるアパート経営を始めましょう。

 

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