ワンルームマンション投資で必ず議論になる「新築」と「中古」。
中古マンション派から言わせると、新築マンションは割高なので投資に適しません。
しかし割高な割には次から次に建設されているし、売れ残ったという話しも聞きません。
なぜなのでしょう?
新築ワンルームマンションが割高な理由
なぜ新築ワンルームマンションが割高なのか。
まずはその価格がどのように決められているのかを見ていきましょう。
価格ありきで販売されている
新築ワンルームマンションの建設が計画されるとき、一番最初に考えられるのが販売価格です。
というのも、新築ワンルームマンションを購入するのは
- 高属性サラリーマン
- 医者
- 仕業
など、非常に高い給与を得ている人たちです。
これらの人たちが手ごろに買える価格で販売することで利益を得るのです。
広告費が上乗せされている
新築ワンルームマンションは利回りの良さよりも、付加価値をウリにしています。
そのため、販売ターゲットはキャッシュフローを得たい不動産投資家ではなく、次のように考えている人たちになります。
- 給与から高い所得税を払っていて少しでも還付したい
- 相続対策などで資産を不動産に移したい
- 利回りは低くてもいいから資産価値が下がらない不動産に投資したい
投資に積極的な人であれば特に売り込みは不要です。
しかし新築ワンルームマンションを買うのは本業が忙しくて資産運用を考えられない人がほとんど。
そのような人たちに売り込むためには多くの広告費をかけて販売する必要があります。
新築ワンルームマンションの広告費はおおむね3割と言われています。
チラシ、パンフレットももちろんですが、一番大きいのは営業マンへの歩合。
2千万円の物件を売ると400万円の歩合になる場合もあるほどです。
賃料が高めに計算されている
新築ワンルームマンションが販売される時、実際の建物はまだ設計段階か建築途中です。
もちろん入居者もいません。
しかし投資用に売り出す場合、どれくらいの収益があがるのかの見込みを示さなければなりません。
そのため、想定賃料でレントロールが作られます。
賃料が保守的に想定されていればよいのですが、たいていは高めになっていることがほとんど。
だってそちらのほうが見栄えがよく、売りやすいですからね。
新築なので多少賃料が高くても入居者がつく可能性もありますが。
高めの家賃で想定されたレントロールで利回りを提示されるので、販売価格が多少高くてもお得に感じてしまいます。
こんな新築ワンルームマンションがあれば買ってもいいかも
割高で販売されることが多い新築ワンルームマンション。
しかし中には収益物件として買いたいと思えるものもあります。
周辺と比べて割安
販売価格の決め方は売り出す不動産会社によって異なります。
中にはお買い得な価格で販売される新築ワンルームマンションも。
お買い得になっている理由は、
- 売れ残って販売に苦戦している
- 決算時期が近くて早く売り切りたい
- 運転資金の回収を早くおこないたい
など様々です。
どちらにしてもお買い得であれば購入を検討してみたいもの。
ではお買い得かどうかはどのように判断するのかというと、
- 賃料に新築プレミアムがのっていない
- 価格が安い理由を明確に説明できる
などで判断できます。
ありがちなのが、賃料が周辺相場よりかなり高く設定されていること。
きちんとリサーチしないと見逃してしまいます。
あとは直接営業マンに理由を聞いてみることですね。
不動産業界には適当な答えを返す営業マンが多数ですが、自分が納得できるまで繰り返し質問してみましょう。
誠実に答えているかどうかが分かるようになるはずです。
価値が長期間維持される
販売価格はちょっと高めだけど買いたくなるような新築ワンルームマンションもあります。
それは「価値が長期間維持される」物件です。
キャッシュフローをほどほどに得つつ、買った価格でそのまま売れたとすると、
- 保有している間のキャッシュフロー
- それまでに返したローンの元本
についてはあなたの儲けとなります。
そのためには価値が落ちにくい物件でなければなりません。
マンションの場合は土地の持ち分はほぼないので、価値は建物にあると言えます。
建物の価値は、
- 長期にわたって需要がある立地か
- 適切に維持・管理されているか
によって決まります。
需要があれば高い賃料でも入居してもらえるし、適切に維持・管理されていれば老朽化も防げます。
出口戦略が明確に見える
不動産は売るまで利益が確定しません。
持ち続けている間はプラスでも、いざ売ろうとしたら残債以下の価格にしかならなかったということも。
それでも売るなら足りない分は現金の手出しが必要です。
これまでキャッシュフローがプラスだったとしても、一気にマイナスになることもあります。
そうならないためにも、いつ・どれくらいの価格で売ればいいのかを想定しておかなければなりません。
その時に必要になるのが、
- ローンの条件(金利、期間)
- 頭金の額
です。
5年後や10年後にどのくらいローンが残っているか、それまでにどれくらいのキャッシュフローが得られるかなどを計算します。
そうすると損益分岐点となる売却価格が分かります。
実際、その価格で売却できるでしょうか?
既に売られている物件の中で条件の近いものと比較してみましょう。
買うときにチェックすること
投資に値する新築ワンルームマンションを見つけたとします。
でも次のようなことは必ずチェックしておかなければなりません。
長期的な需要があるか
ワンルームマンションがターゲットとする入居者は単身者です。
社会人であったり学生であったり。
そのような物件は周りの施設によって需要が大きく影響されます。
特に単身者の需要が高いのは大学、病院、基地などの近くです。
これらの施設が移転することはなかなかありませんが、それでもゼロではありません。
そうなった場合にも入居者を集めることができるでしょうか?
もちろん同じ条件と言うわけにはいかないでしょう。
しかし極端に駅から離れているとか、高台にあるとかだと物件の競争力が低すぎて家賃も大幅に下げなければならなくなります。
できれば一つの施設の需要に依存するようなエリアは避けたほうがリスクは抑えられます。
設備・外構は適切に維持されるか
よく「マンションは管理を買え」と聞きます。
戸建てだと家の管理は全て自分の考えで実行しますが、集合マンションの場合はそうはいきません。
それぞれ区分所有しているオーナーは毎月管理費と修繕積立金を収め、マンション管理組合でそれをどう使うかが決まります。
もちろん管理費や修繕費は少ないにこしたことはないですが、あまりにも少なすぎておざなりの管理をされても困りもの。
特にワンルームマンションの管理組合は機能していないことも多く、実質は管理会社が決めているようなものです。
となると信頼できる管理会社かどうかが決め手となるのです。
管理会社の実力を知るには過去の実績です。
これまで管理している物件の状況を調べてみましょう。
適切に維持・管理されているのであれば問題ありません。
実際に足を運んで確認し、評判をリサーチしてみましょう。
災害リスクは少ないか
近年、地球温暖化の影響で異常気象がたびたび起こっています。
これまでだと考えられなかったような洪水や暴風など。
マンションはしっかりした土台と鉄筋コンクリートで建設されているので比較的安全だと言えますが、それでも洪水などの被害は避けられません。
火事や風、地震による災害は稀だとしても、水による災害は増えています。
ではそのマンションの災害リスクはどのように考えたらいいのでしょうか?
実は地域ごとに災害の危険性は既に知られているのです。
それはハザードマップです。
マンション周辺をチェックし、どんな自然災害が起こりやすいのかを確認しましょう。
特に河川がそばにあると繰り返し洪水が発生しているエリアもあります。
過去にどんな水害が発生しているのか、被害の大きさや発生頻度についても把握しておきたいものです。
まとめ
投資に不適格だと言われている新築ワンルームマンション投資。
一見するとデメリットばかりですが、それを補って余りあるメリットもあります。
そんな新築ワンルームマンション投資で成功するためにはシミュレーションが重要です。
どのくらいの時期でどのくらいローンが残るのか。
そのときにどのくらいの価格で売れば利益が出るのか。
長期的な視点で考えてみましょう。
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