アパート経営はアパートを買った瞬間に利回りがほとんど確定してしまいます。
通常の事業と異なり、コストの変動要素が極端に少ないんですね。
それでもなんとか利回りをアップさせたいと思い、これまで私が実践・検討してきたことをお伝えします。
安く買う
今更言うなよ、って感じですが言わせてください。
あー、失敗した!!!
もっと値引き交渉すればよかった!!
とにかく安く買うにつきますね。
これができればたいていの失敗には目をつむれます。
安く買うためには
- 適正価格を知って
- 値引き交渉をする
です。
適正価格を知るためには「収益還元評価」に加えて「積算評価」を求めます。
売主とは「積算評価」を元に交渉を進めましょう。
関連記事:アパートの適正価格を算出しよう。収益還元評価の出しかた。
関連記事:アパートの適正価格を算出しよう。積算評価の出しかた。
空室を少なくする
空室があると精神的にツラいです。
別に経費がかかっているわけではないですが、その間入居者がいたらと考えると・・・。
できるだけ空室にならないよう維持するためには
- 既存の入居者を退去させない
- 新しい入居者をすぐに見つける
という行動が必要です。
既存の入居者を退去させないために
既存の入居者を退去させないためには、あなたのアパートに満足して、長く住んでもらう必要がありますよね。
そのために大家ができることとしては、
- 物件を綺麗に維持・管理する
- クレームへ迅速に対応する
- 更新料をなるべく少なくする
などがあげられます。
更新料を無料にすることや、更新していただけたら何らかのサービス(ルームクリーニングやエアコンクリーニング等)をつけると満足度も高いです。
究極は更新することさえも通知せず、自動的に更新してしまうような仕組みができないかなと妄想しているところです。
わざわざ「更新のお手紙」などを通知するから入居者も引っ越しを考えてしまうわけで・・・
新しい入居者を迅速に見つける
そうはいっても退去は発生します。
転勤であったり卒業であったり結婚であったり、人生にはさまざまなイベントが発生しますので、永遠に住み続けるということは稀です。
退去は3月に発生することが多いですね。
年度の切り替わりでは多くの人が異動します。
不動産業界の繁忙期と言われているのが1月から3月です。
この時期に何としても空室を埋めなければいけません。
そのためには不動産会社との日頃のコミュニケーションがものを言います。
入居希望者は不動産賃貸のポータルサイトで物件を探して店舗へ訪れます。
そこでその物件だけではなく、同様な条件の物件を同時に紹介して、だいたい1人で3部屋程度内見することが普通です。
入居者からポータルサイトで指名されるのが一番いいのですが、そうではない場合にも、不動産会社からしっかり紹介してもらえるように、日頃からあなたの物件を認識してもらっておく必要があります。
また、不動産会社の営業マンも、色々注文をつける大家よりも、さっさと決めてくれる大家の物件を紹介して成約に結びつけたいと思っています。
彼らも決めなければ収入がありませんからね。
そういうことを意識しつつ、普段から接しておくと早く空室も埋まっていきます。
家賃収入をアップする
家賃をあげる
究極の技ですね。
それができれば一番利回りアップに効きます。
ただやみくもに家賃をアップしても入居者は決まりません。
現在の家賃相場と比較してどこまでであればいけそうかを不動産賃貸のポータルサイトでにらめっこします。
毎週定点観測していると、決まっていく物件が分かってきます。
必ずしも安い家賃のものからではなく、そこそこの家賃でも決まっているのが分かってくるでしょう。
また、家賃を高めるための設備投資も一考です。
- 部屋のリフォーム・リノベーション(費用大)
- インターネット無料や家具家電付きなどの設備追加(費用中)
- ホームステージング(費用小)
これらの施策で競合と差別化し、高い家賃の成約をねらいます。
ホームステージングも専門業者にお願いすると大変見栄えも良くなりますが(私は利用したことありませんが・・・)数万円の費用が必要になります。
イケアやニトリで小物を買ってきて少し飾るだけでも結構成約率に影響している感触がありますので、オススメの対策です。
滞納させない、滞納を早めに対処する
入居者の属性が低いアパートでは日常茶飯事に滞納が発生しています。
自分が家を借りている立場の時は想像できませんでしたが、一度滞納してしまうとリミッターが外れたように滞納しだします。
このような方を相手にする場合は早急な対応に限ります。
ズルズルと長期間にわたってしまうと数十万の滞納額となってしまうため、払う方もびっくりの金額です。
滞納している入居者が存在する場合には管理会社と頻繁にコミュニケーションをとり、期限つきで約束を交わし、一つ一つ着実に実行してもらうしかありません。
家賃以外の収入をつくる
アパート経営ではアイデア次第で家賃以外の収入源を増やすことができます。
収入を増やすことにより、売却時の表面利回りアップの効果もあります。
太陽光発電
現在の売電価格は1KWあたり21円で、一時期に比べるとかなり下がっています。
また、減価償却の一括償却の特例もなくなってしまったので、一時期のブームは去った感があります。
しかしながら設備費用も下がってきているので、屋根置きの太陽光発電設備であれば利回り12%は軽く超えることが可能です。
大きなアパートで屋上がガラ空きの場合、検討してみてはどうでしょうか?
自販機
敷地内に自動販売機を設置して、その売り上げを分配してもらう方法です。
空いている敷地と、自動販売機の電気代を提供することにより、フルオペレーションで業者にやってもらいます。
自動販売機の電気料金は5千円/月程度、節電タイプのものであれば2千円/月程度です。
販売手数料(収入)としてはジュース1本あたり10円〜20円となりますので、5千円の電気代であれば月に250本から500本、2千円の電気代であれば100本から200本が損益分岐点となります。
今は節電タイプの自販機が主流ですので、毎日10本程度売れるかが設置の目安になります。
駐車場、駐輪場の増設
土地が余っている場合、その敷地の有効利用を考えます。
まず思い浮かぶのが駐車場や駐輪場を増設することですね。
理想は整地してアスファルトを敷き詰めるのがよいのですが、土地だけ提供する方法でも借り手がつけば有効です。
まずは不動産管理会社へ相談してみてはどうでしょうか?
経費を抑える
表面利回りよりも実質利回りを下げる効果をねらって、経費を抑えます。
火災保険の活用
意外と知られていないのが火災保険の活用です。
火災保険が適用されるのは以下の条件です。
- 建物の火災
- 突発的な雨、風による被害
- 雪による破損
などです。
当然経年劣化には適用されませんし、雨漏りによる被害などは「染み込み」という判断をされてしまって適用外となります。
また、オプションにより保険でカバーできる範囲も広がるため、しっかり検討して経費を抑えましょう。
関連記事はこちら:知ってますか?火災保険で得する方法
プロパンガス会社と交渉
アパートのガス供給がプロパンガス会社の場合、都市ガスと異なり競争原理が働きます。
プロパンガス会社は他社に乗り換えられないよう、様々な提案をおこなってきます。
当然こちらから言わないと何もやってくれませんが。
言えばやってくれるサービスは
- ガス給湯器設置(メンテナンスフリー)
- エアコン設置
- インターフォン設置
- ウォシュレット設置
ちょっと頑張ればやってくれるサービス
- プロパンガス設備設置料(年額)
- 協賛金(初めの一回だけ)
- インターネット設備の提供
私はやってもらったことはないですが、お風呂を追い焚き方式に変更してくれる業者もいるようです。
気をつけないといけないのは、設備についてはタダではなく、貸借契約になるということです。
実質的にはプロパンガス会社がお金を払って設備を導入するのであなたの出費はありませんが、設備をあなたに貸しているという契約になります。
そのプロパンガス会社を使い続ける限りは問題ないのですが、他のプロパンガス会社に変更しようと考えた場合や、売却の際に次のオーナーがプロパンガス会社を継承しないとなった場合に問題となります。
その設備費用の未償却分は、次に契約するプロパンガス会社に払ってもらうか、あなたが支払た上で変更することになるのです。
自分で購入するべきか、プロパンガス会社に提供をお願いするべきか、しっかり比較検討した上でお願いしましょう。
自分の労働力投入
全てを自分でやることは難しいですが、自分でできる範囲を広げる努力は必要です。
自分の労働力を投入することで、
- 業者に支払う作業コストの低減
- 材料費の低減
- 作業内容の相場観を養う
というメリットが期待できます。
特に作業内容の相場観を養うことは重要で、自分で作業をおこなうことによって業者と対等に会話することができるようになり、不要な作業の削減や、コストダウンの提案などもできるようになってきます。
また、純粋に楽しいということもありますけどね!
おわりに
利回りを向上させることによって、全てのことがうまく回っていきます。
- キャッシュフローが向上して更に魅力的な設備を追加できる
- 資産の積み上げで財務状態をよくし、銀行への交渉力を高める
- 売却価格を高く保つことができる
短期的な出費の有無だけではなく、長期的な視点でアパートの価値向上をはかっていかなければいけませんね。
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