土地はあるが資金がない!そんな人が知っておきたいアパート経営のはじめかた

不動産投資

土地はあるけどアパートを建てる資金までは持っていない。
しかし土地を放置していると多くの固定資産税はかかるし、草むしりも行わなければならない。
空いてる土地には多くの悩みがあります。

そんな人には、アパート経営がおすすめです。

アパート経営というと豊富な資金が必要なイメージがあります。
しかし資金がなくても始めることは可能なのです。

この記事では、土地あり資金なしでアパート経営を始めたいと考えているあなたに、

  • どのような手順でアパートを建てるのか
  • どうやって資金を調達するのか
  • アパートはどう管理すればいいのか

をご紹介していきます。

スポンサーリンク

土地ありでアパート経営をはじめる手順

アパート経営で必要な土地と建物。

すでに土地がある人は有利です。
その土地にどんなアパートを建てたら良いのか、そして資金はどのぐらい必要になるのかという点を詳しくプランニングしていきましょう。

建築プランの検討

アパートと一口に言っても、様々な間取りのアパートがあります。

  • 単身者向けにワンルーム
  • ファミリー向けに2LDKや3LDK
  • 駅から近いか、遠いか
  • 駐車場はどの程度確保できるか

など、アパートを建てる土地近辺の需要や、土地の広さなどを考慮して決めていきます。

どんな人向けのアパートを建てるかは誰も決めてくれません。
あなた自身が責任をもって決めなければならないことです。

どんな人向けのアパートを建てるのかが明確になれば、実際の建築プラン作成になります。
こちらは建築士にお願いすることになりますが、依頼方法は2パタンあります。

  • 設計、建築は別発注を前提に設計士へ依頼する
  • 設計、建築は一括発注を前提にハウスメーカーや建売業者へ依頼する

建築プランは少しでも多く出しましょう。
それぞれのプランを比較して抜け、漏れ、新たな気づきなどが見つかると思います。
これらを深く検討することが失敗しないためのポイントと言えます。

アパート建築資金の調達

アパートの建築資金は数千万円~数億円が必要です。
これらは自己資金ではなく、たいていは銀行の融資で調達します。

全額融資で調達できればよいのですが、融資額は次の要素を考慮して決まります。

  • 土地、建物(これから建築するもの含む)の担保価値
  • アパートの事業計画
  • オーナー自身の資産背景、他の収入状況

スムーズに建築計画が進むよう、融資額の目安は自分でも計算しておいたほうがよいでしょう。
詳細は後述します。

アパートを管理する方法を決める

アパート経営の主な作業は次のようなものがあります。

  • 入居者の募集
  • 家賃の徴収
  • 入居者クレームの対応
  • 空室のメンテナンス
  • 定期清掃

自分で動いて経費を減らすことも可能です。
しかしこれらを専門で実施している管理会社に依頼することで、スムーズな管理が望めます。
コストと時間、作業品質のトレードオフですが、検討の価値はあります。

また、空室リスクを最小限に抑えるサブリースという方法もあります。
こちらもメリットとデメリットを考慮して導入を検討しましょう。

詳細は後述します。

アパート経営に向いているのはどんな土地?

アパートを建てる前に、その土地がアパート経営に向いているのかをチェックします。
最低限次のことは確認しましょう。

  • 土地の形状や広さ
  • 周辺環境
  • 災害への対応

土地の広さ、形状によるアパートの制約条件

土地にはそれぞれ建ぺい率と容積率が指定されています。

  • 建ぺい率:敷地面積(土地)に対する建築面積(建物の外周面積)の割合
  • 容積率:敷地面積(土地)に対する延床面積(建物の床面積)の割合

土地の広さと建ぺい率、容積率によって、どのぐらいの部屋数、部屋の広さを確保できるのかが決まります。
部屋数や部屋の広さによって収益率は大きく異なるので、とても重要な指標です。

また、土地の形状によっては道路から建物入り口までの通路を確保できない場合もあります。
そうなるとアパートの建築許可がおりず、建てること自体ができません。

地盤や地質の強度も重要です。

アパートは建てたあと、数十年にわたって使い続けます。
しかし土地が脆弱だと建物が歪んだり、最悪は倒壊してしまうことも。
そんな場合は地盤工事で必要な強度を確保します。
しかしその分、追加費用が発生します。

周辺施設や駅からの距離も大切な条件

都市部と地方では人の生活スタイルが異なります。

都市部なら電車で移動している人が多数なので、駅から徒歩10分以内の駅近物件だと安定した入居が望めます。

一方、地方だとほとんどの人がマイカーで移動しています。
アパートの立地に関して駅の制約はなくなるものの、1世帯に1台、もしくは1人1台分の駐車場が必要になります。

さらにファミリータイプの物件だと周辺に学校やショッピングモール等がある環境だと、入居者希望者からの人気は高まります。

どんな自然災害が起こりやすいのかをチェックする

自然災害のことも考える必要があります。
地震、洪水、津波、土砂災害など、アパートにとって自然災害は大敵です。

地震はどこに建てても避けることはできませんが、洪水や津波、土砂災害は場所により被害が大きく異なります。

そんなときに役立つのがハザードマップです。

アパートを建てる土地の周辺環境をチェックし、どんな自然災害が起こりやすいのかを確認しましょう。
特に河川がそばにあると繰り返し洪水が発生しているエリアもあります。
過去にどんな水害が発生しているのか、被害の大きさや発生頻度についても把握しておきたいものです。

どのようなアパートを建てるべきかを決めよう

どのようなアパートを建てるかは次の2つによって決まります。

  • ターゲットにする入居者の属性
  • アパートに求める資産性、収益性

これらを考え、あなたの目的にあったアパートを建てましょう。

その土地の需要を把握する

賃貸アパートの需要は大きく次の2とおりに分かれます。

  • 単身者向け
  • ファミリー向け

単身者のかたからは部屋の数は少なめ、広さは20㎡〜30㎡程度のワンルームや1LDKが求められます。
2〜4人のファミリーだと部屋の数が多め、広さも40㎡以上の2LDK以上が求められます。

これからアパートを建てようとしている地域でどのような需要があるか、もしくはどのような需要が満たされていないかをリサーチしましょう。

役に立つのがLIFULL HOME’Sが提供している「見える!賃貸経営」です。

ここでは、

  • その地域に賃貸需要があるか
  • どのような間取り、広さに人気があるか
  • どのくらいの家賃が希望されているか

などが分かります。

ある程度ニーズを把握して、さらに競争力の高いアパートに仕上げるため、

  • デザイナーズ
  • ペット共生型
  • 楽器演奏可能
  • ガレージ

などの付加価値をつけるのも有効です。

アパートの構造によっても収益性が変わる

アパートの基本的な構造は次のいづれかです。

  • 木造
  • 鉄骨造
  • 鉄筋コンクリート

建築コストが一番安いのが木造で、一番高いのが鉄筋コンクリートです。
逆に耐用年数が一番長いのが鉄筋コンクリートで、一番短いのが木造です。

どういうことかというと、

  • 木造:収益性(利回り)は高いが資産価値が下がるのも早い
  • 鉄筋コンクリート:収益性(利回り)は低いが資産価値が長期間維持される

という性格になります。
どのような構造でアパートを建築するかは、自分の投資目的に応じて決める必要があります。

ただし、入居者に人気があるのは木造よりも鉄骨造や鉄筋コンクリートです。

これらは「マンション」というカテゴリーで、木造や軽量鉄骨造である「アパート」よりも音漏れが少なく選ばれやすく、家賃も高く設定できます。

収益性(利回り)は家賃収入だけではなく、空室率も加味して実質利回りで計算しましょう。

アパートを建てる業者を選ぶ

アパートを建てるには、大きく設計と建築の工程が必要になります。
設計と建築の工程それぞれを別の業者に依頼するのか、同じ業者に依頼するのかによって、アパートの仕様も変わってきます。

  1. 設計士に設計を依頼し、建築業者へ建築を依頼する
  2. ハウスメーカーや建売業者に設計~建築を一括で依頼する

設計と建築を別の業者に依頼すると次のメリットがあります。

  • オーナーの希望に近い間取りで設計ができる
  • 無駄を省いて必要な機能を高めることができる
  • 設計業者と建築業者のコストが明確になる

細かなコストが明確になり、オーナーの自由度が高いやり方と言えます。
半面、それぞれの業者の調整はオーナー自身がおこなわなければなりません。

一方、ハウスメーカーや建売業者に設計から竣工までを一任すると次のメリットがあります。

  • 設計から建築まですべての作業を依頼できるので、抜け・漏れがない
  • 建物が標準化されているのでそこそこの品質のアパートが完成する
  • 設計・建築コストが抑えられる

ハウスメーカーや建売業者のアパートは標準化されているのが強みです。
そこそこの品質のアパートを低コストで提供できます。

しかし中には中間マージンを多く取る業者もいることを忘れてはなりません。
どのくらいの費用で建築できるのか、オーナー自身が見極められる能力も必要です。

アパート建築資金の調達方法

アパートの建築資金は数千万円~数億円が必要です。
たいていは現金ではなく銀行の融資を使って調達します。

融資してもらう人の資産背景にもよりますが、アパート総額(土地+建物)の70%~90%程度は融資が期待できるでしょう。

担保価値を調べる

アパートの担保価値は2つの方法により算出されます。

  • 積算評価
  • 収益還元評価

積算評価は土地と建物の資産評価額です。
計算方法は次のとおり。

積算評価額 = 土地(路線価 × 土地面積)+建物(再調達価格 × 延床面積)

土地は路線価によって価値が決まります。
積算評価の場合は相続税路線価が使用されることが多く、調べるには地価マップを使います。

建物は再調達価格によって価値が決まります。
再調達価格は実際の建築費用ではなく、一般的な建築費用です。
おおむね次のような価格で算出されますが、銀行によっては異なることもあります。

構造基準単価
鉄筋コンクリート20万円/㎡
重量鉄骨造18万円/㎡
木造15万円/㎡
軽量鉄骨造15万円/㎡

収益還元評価とは、そのアパートで見込まれる収益を元にして価格を算出する方法です。
計算方法は次のとおり。

収益還元評価額 = 収益見込み(年間家賃額)÷ 利回り

収益見込みはアパートから得られる年間の家賃収入、利回りは周辺のアパートの取り引き実績で決められます。
これは直接還元法と言われている計算方法で、その他にはDCF法という計算方法もあります。

銀行はこれらを元にアパートの担保評価額を算出し、融資の金額を決めるのです。

属性と事業計画も融資のポイント

銀行が融資を決めるポイントは次の2つです。

  • 融資した金額がきちんと返済されるか
  • 返済されなかった場合、保全できる担保があるか

保全できる担保となるのはアパートを建てる土地と建物です。
これらが融資額を満たせれば問題ありません。
満たせない場合でも、きちんと返済される見込みがあれば融資可能です。

きちんと返済されるかをどのように判断するかというと、1つは借り入れをするオーナー自身の信用度、もう1つは事業計画です。

オーナー自身の信用度は次のようなもので審査されます。

  • 現在持っている不動産を含めた資産
  • 建てるアパート以外の収入(現在の職業や年収、勤続年数)

大企業のサラリーマンなどは特に好まれます。

さらに、アパート経営の事業計画書も重要です。

  • 収支見通し(空室率を加味、詳細な経費など)
  • 修繕計画
  • 税金

など、数年間に及ぶ計画書を作ることで、融資がきちんと返済される裏付けとなります。

アパート管理の方法

建てたアパートをどのように管理するか。

住んでくれる入居者を見つける、入居者の家賃徴収、トラブル対応、退去の際にはメンテナンスなどの作業も必要となります。
さらに、建物の不具合に対応することもまた、アパート経営者の責任となります。

管理会社に任せるvs自主管理

アパート管理を管理会社に一任すると、面倒な作業を全て管理会社が行ってくれるので、アパート経営者は毎月入ってくる家賃収入のみを受け取ればよいということになります。
管理会社に手数料がかかるため、入ってくる家賃収入は自主管理するよりも少なくなりますが、精神的にも体力的にも負担が少なくなるというメリットが期待できます。

一方、自主管理の場合には、入居者の対応から建物の管理に至るまで、すべてアパート経営者が自分で行わなければいけません。
なかなか家賃を払ってくれない入居者がいたりすると、取り立てなどで精神的な負担は大きくなってしまいますし、時間的にも労力的にも大きな手間がかかることになります。

しかしその一方で、家賃収入が全額オーナーの元に入ってくるという経済的なメリットが期待できます。

以前は自主管理するオーナーも多くいましたが、以下の理由から現在は管理会社に任せている人がほとんどです。

  • 管理会社経由のほうが入居者も安心できる
  • 管理会社は自社管理物件を優先して入居付けする
  • 管理手数料の相場は3%~5%なので、さほど大きな出費ではない

私の場合は遠隔地に物件を多く所有しています。
頻繁に状況を確認することはできませんが、しっかりした管理会社に管理してもらうと入居率も良好に保てている実感があります。

空室リスク対策にサブリースも検討しよう

アパート経営の中でも経営者を困らせる要因の一つに、空室リスクがあります。
アパートがあってもそこに入居する人がいなければ、家賃収入はありません。
そんな空室リスクを回避する対策方法として知られているのがサブリースです。

リース会社がアパートを一棟そのまま借り上げてくれるサブリース。
オーナーにとってはアパートに空室があってもなくても、毎月入ってくる家賃収入は同じという経済的なメリットが期待できます。
しかし、サブリース会社の手数料は平均20%と高めです。
収益が低下するのは避けられません。

収益が低下したとしてもサブリースを依頼するのは、

  • 本業に集中したい
  • アパート経営は分からないので専門家に任せたい

このように考えている人も多くいるからです。

メリット、デメリットをしっかり認識して自分にあうのかを検討しましょう。

まとめ

土地があればアパート経営は有利に始められます。
アパート建築資金がなくても、銀行から融資を受ければ始めることは可能です。

これまでアパート経営の知識がなかったり、時間的にアパート管理が難しいと考えていた人も多くいることでしょう。
しかしアパート管理の仕事は専門の管理業者に委託すれば、手間をかけずにすむのです。

アパート経営の一番のポイントは周辺環境のリサーチです。

どのようなアパートのニーズがあるのかを徹底的に調べ、入居者が多く集まるようなアパートを建築することで、手間がかからず、高収益にアパート経営ができるのです。

アパート経営を失敗しないために。サラリーマンのアナタに教える不動産投資のはじめかた
私がアパート経営をこれまで経験してきた中で、どうすれば失敗せずに進められたかが分かってきました。 今だから言えることも多くあります。 多くの失敗を経験して感じたことや考えたことをもとに、これからアパート経営をはじめる人に気づきを...

コメント

タイトルとURLをコピーしました