アパート経営の空室対策! 有効な対策第1位は?

アパート管理
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アパート経営の空室対策にはいつも頭を悩ませていますが、入居者が望む設備ランキングから見て人気が高いのがインターネット無料サービスです。

今やインターネットは電気や水道と同じく、普段の生活にはなくてはならない存在になっています。そのための費用についても携帯電話を使うと1万円/月、自宅に有線の回線を敷設してプロパイダと契約すると3千円/月〜7千円/月ほどの費用が必要になってきています。

そこで空室対策としてインターネット回線を無料で提供するアパートがちらほら出始めています。

家賃にどれくらい含まれていると考えるかは入居者それぞれの感覚ですが、個人で回線を引く場合には安くても3千円/月は必要ですので、2千円分くらいのお得感を持ってもらえるのではないでしょうか。

私の所有している一部のアパートでは無線方式のインターネット回線を導入済みですが、そちらはケーブルテレビ会社が提供しているサービスです。料金体系としても一部屋あたりの料金設定となっているため部屋数が多くなってくると結構な金額となってしまいます。

今回別のアパートに有線のインターネット回線を導入すべく調査しましたので、その情報をシェアします。

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アパートのインターネット回線の仕組み

アパートにインターネット回線を導入し、各部屋の入居者に提供するためには、通信事業者との公衆回線とアパート内のネットワークのそれぞれを構築する必要があります。

通信事業者との公衆回線についてはNTTの光ファイバー回線(フレッツ光等)で、通信速度も1Gbpsが主流になっています。

その回線をアパート内の入居者で共有して使用する形態を検討します。

アパート内のネットワークはLAN回線で構築することになるのですが、共用廊下に配線を取り回し、各部屋へ分配する工事が必要となります。

各部屋にはLANのモジュラージャックを設置し、そこから先は入居者が通信機器を直接接続するか、無線LANルーターを設置して複数台で共有する形になります。

その他、モジュラージャック内に無線LANモジュールを埋め込んで、無線LANルーターを準備しなくてもWiFi接続できるようなサービスもあるとのことでした。

インターネット回線導入の費用体系

まずは通信事業者(NTTやKDDI等)やCATV業者が思い浮かびます。これらの業者は初期費用無しで月々の回線費用のみでサービス提供しているケースが多いです。私が問い合わせたのはNTTの関連会社で、通信会社までの回線速度は1Gbpsでアパート内の回線も同様に1Gbpsのサービスでした。料金は一部屋につき1.5千円/月程度であるため、18部屋だと3万円/月近くになります。CATV業者も同様に一部屋あたりの料金設定のところが多数でした。

その他ではネットワーク工事をおこなうような事業者もアパート向けのインターネット回線提供を行っていました。「地主と家主」の6月号に業者一覧が掲載されていましたので、片っ端からあたっていきました。

問い合わせた結果、主に2つの料金体系があるようです。

  • ネットワーク敷設のための初期費用と月々の回線使用料で構成される料金体系
  • ネットワーク敷設のための初期費用を月々の回線使用料に上乗せして長期契約する料金体系

ネットワーク敷設の初期費用はアパートの規模にもよるのですが、18戸のアパートであれば40万〜60万程度が相場のようでした。

月々の回線使用料は先のNTTやCATV業者と同様に部屋数によって決まる業者と、部屋数に関わらない業者がありました。

部屋数によって決まる業者では、1部屋あたり700円〜1,500円程度、部屋数にかかわらない業者では1万〜2万程度が相場のようでした。

また初期費用を月々の回線使用料に上乗せする契約の場合は、長期契約が前提となります。途中解約の場合には違約金として初期費用の残額が請求されることになります。

そのやり方にも二通りあり、自社内で料金体系を分けている場合と、ローン会社と提携している場合があります。ローン会社と提携している場合は金利なども上乗せされてきますので注意が必要です。

決定のためのポイント

まずは費用ですが、相見積りをとってそれぞれの業者に詳しくヒアリングする必要があります。その上で以下の内容と照らし合わせて検討していく必要があります。

  • サポートサービスの内容 … コールセンター設置有無、付加サービス
  • 回線スピード … 公衆回線、屋内回線それぞれの速度やプロパイダの混み具合
  • 対応できるエリア … 他の物件も導入してスケールメリットで価格交渉

今回ヒアリングした中では、ある一定戸数になるとプロパイダを分けて導入するというところもありました。アパートの回線は共有回線となるため、ある人が多くの通信量を使ってしまうと他の人に影響が出てしまいます。

公衆回線は1Gbpsは確保しているのでボトルネックになるとは考えにくく、プロパイダ内の回線で混み合うことも考えられます。そのため、1つのプロパイダに接続する戸数を制限しているとのことでした。

また、インターネット回線を設置する場合には、新たに屋外に回線を収容するBOXを設置します。そのBOXが現在の外壁の色とアンマッチになることも考えられますので、事前に色や形も確認しておきましょう。

工事期間

工事はアパート内のネットワーク工事と各部屋の屋内回線工事、公衆ネットワークの開通工事に分かれます。

アパート内のネットワーク工事については1日程度で終わるようですが、屋内回線工事については各部屋へ立ち入る必要があるため、入居者との調整が必要となってきます。

公衆ネットワークの開通工事については地域にもよりますが、NTTの場合だと一ヶ月以内には開通できるようでした。

アパート経営へのインパクト

初期費用を抑えて月々の料金を割高で考えるか、初期費用を出して月々の料金を抑えるかの選択になります。

ネットワーク敷設のための初期費用を先に支払う場合、費用的には40万円〜60万円となりますが経費とはならず、減価償却の対象となる可能性が高いです。それを考えた場合、初期費用で大きくキャッシュアウトした分が費用として計上できないためにキャッシュフローが悪化してしまいます。

その点では月々の料金に初期費用分を上乗せしてもらう方式のほうがメリットがありますね。ただしトータルとしては割高になる可能性もありますので、総合的に判断する必要があります。

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