アパートのローンは変動金利が有利なのか?固定金利と特徴を比較する。

不動産投資
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アパートをローンで購入する場合金利が何%かに着目します。
さらに金利タイプを次のどちらかから決めなければなりません。

  • 変動金利:市場の金利に連動して金利や返済額が見直される
  • 固定金利:一定の期間金利や返済額が変わらない

金利タイプを選べない銀行もありますが、選べる場合どちらを選択するのか悩みます。
将来的な金利変動リスクを考えると固定金利がよさそうですが、一概にそう言えるのでしょうか?

この記事では変動金利と固定金利の特徴を比較し、あなたの戦略にあった金利タイプを選ぶ方法をご紹介します。

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金利タイプの特徴

変動金利と固定金利を比較するにあたり、それぞれの特徴を見ていきましょう。

変動金利

変動金利の特徴としては大きく以下の3点です。

  • 固定金利と比較して金利が低い
  • 市場金利と連動しているため低金利時にはメリット享受できるが、金利が上がると費用も増大する
  • 解約手数料が少ない

変動金利は自分で金利変動リスクを取ることにより、銀行のマージンが少なくなります。
そのため固定金利よりも金利は低め。
また、固定金利に比べると解約手数料が少ないということも特徴です。

固定金利

固定金利の特徴としては大きく以下の3点です。

  • 変動金利と比較して金利が高い
  • 最初に金利が固定化されるため、将来の経営計画が立てやすい
  • 解約手数料が多く発生する

固定金利だと将来の費用が確定するので、経営の安定性で大きなメリットとなります。
対して、金融機関が金利変動リスクを取っていることより、多くのマージンを取られてしまいます。

金融機関によっては金利タイプを選べないことも

住宅ローンは変動金利と固定金利を選べますが、アパートを購入する場合のローンでは選べないこともあります。
金融機関ごとにアパート融資への取り組み方が異なり、商品の特性も異なるためです。
アパート融資は以下のような商品に分類されます。

  • アパートローン
  • 公庫融資
  • 事業性融資(プロパーローン)

アパートローン

アパート融資をパッケージとして提供しており、基本的に顧客や購入物件によって条件を変更することはありません。
条件としては以下のようなものがあります。

  • 金利
  • 金利タイプ(固定金利、変動金利)
  • 融資期間

商品を提供している金融機関としては、スルガ銀行、静岡銀行、オリックス銀行、三井トラストL&Fなどが代表的です。
融資期間は購入物件によっても変わりますが、金利や金利タイプは選択の余地はありません

公庫融資

日本政策金融公庫でアパート購入資金を融資してもらう場合、新規事業の創出として融資される場合が多いです。

金利は1.25%〜1.85%と低金利で、融資期間は短めで10年〜20年です。
金利タイプは「固定金利」のみの取り扱いとなっており、選択の余地はありません。

事業性融資(プロパーローン)

都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合など「銀行」と言われるところが融資する場合、対象の事業を評価して融資可否を判断します。

その事業がどのくらいの安全性、収益性があるのかによって、金利、金利タイプ、融資期間、融資金額が決まります。

事業への判断は金融機関によっても異なるし、銀行マンの手腕によっても異なります。
その中で交渉次第では金利の低減や、金利タイプの選択ができます。

したがって金利タイプを選ぶことができるのは、事業性融資(プロパーローン)のみとなります。

どういう基準で金利タイプを選ぶか?

ではどういう基準で金利タイプを選べばよいでしょうか?

変動金利と固定金利の特徴で見たように、両者の特徴の大きな差は金利変動リスクを自分が取るか金融機関が取るかということです。

自分で金利変動リスクを取ればその分コストは低くなりますが、将来的に金利が高くなった時に費用(利子)が増える可能性があります。
そのコストを支払ってでも経営の安定性をとるか、将来的な戦略の柔軟性を考慮して変動金利とするのかが選ぶポイントになってきます。

将来的に金利の上下動を予測できればいいですが、将来は誰にも分からないので判断基準から除外します。

固定金利を選ぶ基準

しばらく放置できるような物件を購入できた場合(新築や築浅のアパート)、一旦満室になるとあまりやることはなくなります。

さらに金利も固定化されると、シミュレーション通りの経営をおこなうことが可能となります

金利のコストは若干上がりますが、資産運用の面から見ると安全に資産を積み上げることができるという大きなメリットがあります。

変動金利を選ぶ基準

今後さらにアパート経営の拡大を考えている場合は変動金利が有利です。
金融機関とも緊張感のある関係を保ち、金利交渉を積極的におこなえます。

固定金利の一番のデメリットは「解約手数料」が多く発生することです

金融機関にもよりますが、解約金額(残債)の2%〜3%もの手数料となります。
1億円の借り入れが残っている場合、200万円〜300万円もの金額となります。
今後もさらに買い増しを考えていて、金融機関も柔軟に考えたい場合、解約手数料の大きさがネックになります。

変動金利だといつでも新たな金融機関へ借り換えすることができる状態であるということが、新規融資・金利の低減に対して非常に強力な武器となります。

まとめ

変動金利、固定金利の特徴と、選ぶ基準について紹介しました。

  • 手間のかからない新築アパートをしばらく保持する場合は固定金利
  • 機動的なアパート経営で、保持・売却を常に考えている場合は変動金利

アパート経営の費用において、ローンの金利が占める割合は非常に高いと言えるでしょう。
しかしこの金利や金利タイプを銀行の言われるがままに決めてしまっている人が多いのも事実。
あなたの戦略と金利タイプが合致しているか確認してみてください。

これからアパート経営をはじめようと考えている方はこちらの記事もどうぞ。

→ アパート経営を失敗しないために。サラリーマンのアナタに教える不動産投資のはじめかた

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