不動産投資と言えば真っ先に思い浮かぶワンルームマンション投資。
あるマンションの一室のみ(区分)を買って賃貸する投資法です。
そのワンルームマンション投資は新築と中古それぞれどちらでもおこなえます。
しかし新築と中古では大きく特徴が異なるので、この記事では中古物件への投資に絞ってメリット・デメリットやリスクを考察します。
そして実際にワンルームマンション投資を成功させるやり方についてもご紹介していきます。
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ワンルームマンション投資とは?
ワンルームマンション投資とはそもそもどのような投資なのでしょうか。
少ない資金で始められる
中古のワンルームマンションは500万円くらいから購入できます。
さらに融資が使えるとすると諸費用のみを準備すればよく、50万円〜100万円あれば始めることができます。
一棟アパートなどは3,000万円から1億円という価格になるものも多いので、不動産投資を始めるハードルはかなり低いと言えます。
手間がかからない
不動産投資は入居者の対応を管理会社に委託するので、それほど手間はかかりません。
入居者からは設備の故障などでクレームがあがるのですが、管理会社へ業者の手配を依頼するだけです。
しかし一棟アパートへの不動産投資では部屋ごとのクレーム対応の他に、建物全体の管理が必要です。
具体的には次のようなものです。
- 建物(屋上、外壁、共用部の床、ルーフなど)
- 建物に付属している設備(受水槽、火災報知器、共用電灯など)
- 外構(庭、駐車場、フェンスなど)
これらの設備はある程度使用すると故障、破損、劣化が発生します。
もちろん管理会社からの提案もありますが、実施内容や金額の妥当性を自分で判断しなければならないので、調査や調整に結構時間が取られます。
その点ワンルームマンション投資では、管理会社が提案してくる内容をマンション管理組合が承認するので、自分で判断することは圧倒的に少なくなります。
極論、毎月の管理費を納めていれば、あなたは建物に関して気にする必要はないのです。
部屋の設備の修繕、入居者の客付け対応だけをすればよいので、ほとんど片手間で済む作業量です。
中古だと価格の変動が少ない
投資用で新築のワンルームマンションも売り出されています。
入居者の客付けを考えると新築のワンルームマンションは魅力的ですが、価格がネックになります。
新築のワンルームマンションだと、原価に加え宣伝費や利益などが上乗せされているため、どうしても割高となります。
一般的には新築プレミアムとして3割は高めになっていると考えてよいでしょう。
その点中古ワンルームマンションだと、収益還元評価による実際の賃料に比例した価格で売買されています。
もちろん築年数によっても若干価格は変動しますが、築10年〜30年位まではあまり大きな価格の変動がないという特徴があります。
ワンルームマンションは利回りが高い
ワンルームマンションはファミリー向けに比べると利回りは高めです。
ファミリー向けマンションでローンを使って投資をするとなかなかキャッシュフローがプラスになる物件が見つかりません。
しかしワンルームマンションであれば比較的簡単に見つけられます。
なぜならば、家賃と部屋の広さは正比例せず、部屋が狭いほうが収益性が高くなるからなのです。
例えば50㎡の2LDKマンションで家賃が15万円だったとして、25㎡のワンルームが半分の7万5千円になるかというと、9万円や10万円だったりします。
そのためファミリー向けマンションのほうが多く家賃収入が入るのですが、部屋の広さあたりの収益性はワンルームマンションのほうが有利なのです。
さらに都内ではワンルームマンション建設を制限する条例があります。
そのためワンルームマンションの供給が限られ、家賃も高止まりする傾向にあるのです。
ワンルームマンション投資のメリット・デメリット
少ない資金で不動産投資を始められるワンルームマンション投資。
あなたが投資をする目的と合っているか、メリットとデメリットを見ていきましょう。
ワンルームマンション投資のメリット
ワンルームマンション投資には次のようなメリットがあります。
- 少ない資金で不動産投資を始められる
- 安定した収益が見込まれる
- 生命保険、自分年金の効果が期待できる
少ない資金で不動産投資を始められる
ワンルームマンションは500万円くらいで購入できます。
さらに銀行から融資を受けることも可能なので、100万円もあれば不動産投資を始められるのです。
安定した収益が見込まれる
不動産投資は入居者が見つかると4年〜10年は安定して収益を生み出してくれます。
それはワンルームマンションも同様です。
ワンルームマンションだと入退去が短期間で発生するイメージですが、それでも2年間は入居しています。
私のアパートのワンルームでは20代〜40代のサラリーマンが多く入居していますが、長い人では10年ものあいだ住み続けてくれています。
生命保険、自分年金の効果が期待できる
ワンルームマンションを購入する場合は融資を使うことが多いのですが、その際にはほぼ団体信用生命保険をつけます。
この保険は借りた人が死亡した場合や高度障害状態になった場合、ローンの残額を肩代わりするものです。
通常の生命保険と同様の効果があり、無料の場合が多いので非常にメリットがあります。
さらにローンを全額返済できると入ってくる家賃はほとんど収入になるので、年金代わりにもなります。
ワンルームマンションを1つ持っていると7万円〜10万円の収入が期待できます。
ローンのないワンルームマンションを3つ持てれば生活に困ることは無くなるでしょう。
節税効果がある
不動産投資全般に言えることですが、ワンルームマンション投資には節税効果があります。
まずは所得税、住民税について。
所得税と住民税は所得が高くなるにつれ税額も増えます。
逆に所得を低く抑えれば税額を低くできるのです。
そこでポイントとなるのが減価償却費。
キャッシュを減らさず所得を下げる効果があります。
不動産投資では買う物件次第で多くの減価償却費を計上できます。
他の所得と損益通算できるので、サラリーマンだと天引きされている所得税、住民税が還付されます。
さらに一番の節税効果が期待できるのが相続税です。
相続財産が現金ではなく不動産の場合、次の方法で価格が決められます。
- 土地は路線価
- 建物は固定資産税評価額
これらの評価方法で不動産の価格を算出すると実売価格の50%〜70%になります。
そのため現金で相続するよりも相続税を低く抑えることができるのです。
事業的規模になると青色申告ができる
ワンルームマンション投資で部屋数がある一定規模になると青色申告が可能です。
青色申告ができると次のようなメリットがあります。
- 青色申告特別控除
- 家族への給与支払いで所得分散効果
- 損失の翌年繰越
白色申告で確定申告する場合に比べると、経費を上手に使って納税額を少なくできます。
ワンルームマンション投資のデメリット
しかしワンルームマンション投資には次のようなデメリットもあります。
- 不動産貸付業としてのリスクがある
- 資産価値が下がって売却価格が想定よりも低くなる
- 急激に賃貸需要が低下して空室になる
不動産貸付業としてのリスクがある
不動産投資は投資といっても実際はアパート経営という事業です。
部屋の維持・管理、入居者の募集、クレームの対応などの作業が発生します。
実際の作業は管理会社が対応するとしても、最終的な判断はあなたがおこなわなければなりません。
その際には費用が発生することや、思いどおりに入居者が見つからないこともあります。
これら全てを淡々と対応していく必要があります。
どのような費用が必要かを把握し、事業として成り立つのかを計画しましょう。
資産価値が下がって売却価格が想定よりも低くなる
マンションは年数が経過するとともに資産価値が下がっていきます。
当然買う時には売却時の価格も想定しておくものですが、売却時の市況によっては大幅に低くなってしまうこともあります。
それでもローンが全て返済できる金額であればよいのですが、ローンの残額よりも少ないと自己資金が必要になってしまいます。
賃貸需要が下がって家賃減少、空室期間が長くなる
不動産投資は株式投資などと違って価格変動は大きくありません。
しかし周りの施設の状況によっては賃貸需要が変化してしまうことも。
学校や工場の移転、商業施設の撤退などによって入居希望者が少なくなることもあります。
そうなると家賃を下げてでも空室を埋めようと、周りの物件と値下げ競争が発生します。
最悪の場合は収入より支出のほうが多くなり、収益がマイナスになることも。
マイナスの分は他の所得より持ち出して穴埋めが必要になってしまいます。
そうなる前に売り抜けることができればいいのですが、金融投資と異なり売却にも時間がかかります。
悪徳な業者が問題のある物件を売りつける
ワンルームマンション投資をはじめるには不動産を買うわけですが、どのような不動産を買ったらいいのかの基準が分かる人はごくわずか。
不動産などの個別性が高い商品は「情報の非対称性」が発生します。
売る側には分かっていることが、買う側に必ずしも知らされるわけではありません。
不都合な情報を隠蔽してしまう業者も数多くいます。
そのような業者が問題のある物件を売りつけ、買ったあとにトラブルになっていることも少なくありません。
最近ではシェアハウスへの融資が大きく話題になりました。
他の投資方法とワンルームマンション投資を比べてみる
どの投資方法にもメリットがありデメリットがあります。
ワンルームマンション投資も同様で、他の投資方法と組み合わせて使うと効果を発揮することもあるのです。
他の投資方法とメリットとデメリットを比較した記事をご紹介します。
ワンルームマンション投資のリスク
ワンルームマンション投資は安定感のある投資法ですが、それでも考慮すべきいくつかのリスクがあります。
事前にリスクを想定して対策しておくことで、安定した収益を生み出すことができます。
空室リスク
需要のある地域を狙ってワンルームマンションを購入したとしても、入居者の退去は必ず発生します。
また周辺施設の状況変化によって需要が少なくなってしまうこともあります。
部屋の魅力をあげる、家賃を適正に変更する、不動産業者への営業を強化するなど、自分で考えて対策をしていかなければなりません。
サブリースという選択もありますが、十分に検討しましょう。
金利上昇リスク
ここ30年くらい低金利が定着していて、金利が上昇するという感覚が薄れてきています。
不動産投資用のローンは住宅ローンと異なり金利が高いのですが、それでも3%程度です。
しかし3,000万円の借り入れをしている場合、金利が1%上昇すると年間30万円もの経費が余分に必要となってしまいます。
売却リスク
不動産投資は金融投資の対象である株式や債券などと比べると流動性が非常に低いと言えます。
売却価格が適正だとしても、買い手がつくまで1ヶ月〜3ヶ月程度はかかるのが普通です。
売り急ぐと足元を見られ、想定している売却価格よりも低くなってしまうことも。
売却時期を計画的に決め、じっくりと取り組むことが重要です。
災害リスク
不動産投資では火災、地震など、建物が損傷して使えなくなったり、修繕費用が高額になったりという災害リスクがあります。
これらのリスクをカバーするために火災保険を利用します。
しかし1棟アパートによる不動産投資と異なり、ワンルームマンションでは共有部の損壊はマンション管理組合で修繕します。
そのため、想定されるリスクは部屋の内装や設備に限られます。
これらも建物と同様に火災保険でカバーできます。
滞納リスク
毎月安定的に家賃収入の期待できる不動産投資ですが、入居者の経済状況の変化によっては家賃が滞納されるリスクがあります。
日本の法律では家賃を滞納したからと言ってもすぐに退去させることはできません。
最悪、半年間家賃収入が入ってこないということもあります。
そのようなリスクに備えるため、最近では家賃保証会社を利用することが多くなってきました。
ワンルームマンション投資は失敗する人も多い
ワンルームマンション投資は不動産投資の中でも比較的少額で始められます。
そのようなこともあり、ワンルームマンション投資を勧める不動産業者も多くいます。
- 節税効果がある
- 生命保険の代わりになる
- 年金の補填になる
これらは不動産業者のセールストークとして定番です。
あながち間違っていないので反論できずにズルズルと説得される人も。
不動産業者に言われるまま始めるのではなく、自分にあった投資戦略を選択しましょう。
ワンルームマンション投資はこのような方に向いている
このように少ない資金で始めることができ、手間がかからず、利回りのよいワンルームマンション投資ですが、次のような方に向いていると言えるでしょう。
- サラリーマンなどの本業をやりつつ資産を構築したい
- 金融投資の他に分散投資として不動産投資を始めたい
- 1棟アパートを買うほどの資金はないが、不動産投資を始めたい
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