ワンルームマンションを売却する時に悩むのが「値付け」。
あまり高すぎても売れないし、安すぎてももったいない。
売却価格の相場が分からずに次のような悩みをもっている方が多くいます。
- 自分の保有しているワンルームマンションの相場はどのくらいなのだろうか
- どのくらいの価格だと買い手がつくのだろうか
この記事ではワンルームマンションを売却する時に悩む「相場の調べ方」「価格の決め方」を次の6ステップでご紹介していきます。
- 家賃の相場を調べる
- 利回りの相場を調べる
- ローン残高を考慮する
- 実質利回りを計算する
- 最低売却価格を決める
- 理想の売却価格を決める
をご紹介していきます。
ワンルームマンション売却価格の相場を調べる
売却価格の相場を調べるとき、一括見積で比較するという方法が一番カンタンです。
しかしそこで出てきた売却価格がはたして妥当なのか？という疑問も湧いてきます。
自分で売却価格の妥当性を判断できれば自信を持って売却にのぞめるでしょう。
売却価格の調査に使うサイト
調査に使うのはインターネット上にある2種類のサイトです。
- 家賃相場（SUUMO、LIFULL HOME’Sなどの賃貸向け物件案内）
- 利回りの相場（健美家、楽待などの投資家向け物件案内）
なぜ2種類調べる必要があるのかというと、
- 家賃相場で物件の収益力を知る
- 利回りの相場で売却価格を知る
という意味合いがあります。
家賃の相場を調べる
表面利回りは現在の家賃と売却価格で求められます。
しかし現在の家賃が相場と違うこともあります。
そのため、売却物件の周辺家賃を調べて本当の表面利回りを求めましょう。
例として、大井町徒歩5分圏内にあるワンルームマンションの家賃を調べてみましょう。
家賃に影響する条件は次のものです。
- 間取り、広さ
- 駅からの距離
- 設備の有無（オートロック、バストイレ別、）
- 構造（鉄筋コンクリート）
- 2階以上
LIFULL HOME’Sではこれらの条件を指定して物件を絞り込めます。
試しに次の条件で確認してみました。
- マンション
- 大井町徒歩5分以内
- 築20年以内
- 1K
- 20㎡〜25㎡
- 2階以上
- オートロックあり
- バストイレ別
結果31件ヒットしました。
さらに築年数10年〜20年のものをピックアップすると10件に絞り込まれます。
それらの家賃を確認すると9.6万円〜12.7万円の範囲内ということが分かりました。
これらの平米単価の平均を求めると0.49万円/㎡という値が求められます。
仮に売却する物件が21㎡だとすると10.3万円の家賃が適正値だということが分かります。
利回りの相場を調べる
次に現在売りに出されている物件の利回り相場を調べてみましょう。
売却するワンルームマンションは他の同様な物件と比較されます。
おもに比較される条件は次のものです。
- 間取り、広さ（㎡）：1R,1K,1DK,1LDK、20㎡より広いか狭いか
- 駅からの距離：5分以内、10分以内、それ以外
- 築年数：前後5年の物件
楽待で周辺の同スペックの物件がどの程度の利回りかを調べるとおおよその利回り相場が分かります。
同じように大井町駅徒歩5分圏内の物件を調べてみると6件ヒットしました。
それらの利回りを確認すると4.33%〜4.99%の範囲内でした。
ワンルームマンションの売却価格を決める
家賃相場と売却相場を確認したところで、あなたの物件が売れそうな価格が把握できます。
しかしできるだけ高く売りたいと考えるのが人情。
最初は高い価格で売り出し、様子を見て下げていったほうが高く売却できる可能性が高まります。
しかし相場と乖離しすぎた価格だと反響が少なくなってしまいます。
そこで現在の売却相場を踏まえた最低売却価格と理想の売却価格を決めましょう。
関係する要素としては次の3つです。
- ローン残高
- 管理費・修繕積立金
- 適正家賃
ローン残高を考慮する
ワンルームマンションをローンで購入している場合はローンがいくら残っているかが重要です。
ローンが残っているワンルームマンションには銀行の抵当権が設定されていて、全額返済できないと売却できないからです。
したがって最低売却価格はローンを全額返済できる金額になります。
もちろん足りない分は自分で補填してもかまいません。その分売却価格を下げられます。
実質利回りを計算する
ワンルームマンションの売却サイトでは「物件価格」と「表面利回り」が表示されます。
しかし実際の収益性を考える上では実質利回りの計算が欠かせません。
しかし厳密に計算する必要はありません。
ライバル物件との比較なので次の2点を考慮すれば十分です。
- 管理費、修繕積立金
- 適正家賃
管理費、修繕積立金は「支出」となるので家賃収入からマイナスします。
適正家賃は平米単価を元に補正してみましょう。
先ほど調査した大井町の適正家賃は0.49万円/㎡でした。
21㎡だと10.3万円。ライバル物件も同様に計算して平均を算出します。
最低売却価格を決める
最低売却価格の決め方は2とおり考えられます。
- ローンを全額返済できる金額
- 相場平均の売却価格
1つはローンを全額返済できる金額になります。
あなたが拠出できる資金と合わせて、どのくらい必要か算出してみてください。
もう1つは損したくない金額として相場平均を考えます。
一般的には次の3つを使って価格が決められます。
| 取引事例法 | 似たような条件のものを参考に価格を決める |
| 原価法 | 再調達原価（再度建てるときにかかる費用）を求め、経過年数で補正する |
| 収益還元法 | 将来得られると予想される収益を元に価格を決める |
投資用物件の場合は収益還元法を使って決められることがほとんどです。
ざっくりした計算式は次のとおりです。
売却価格 ＝（適正家賃-管理費-修繕積立金) ÷ 平均実質利回り
適正家賃は家賃相場で調べた平米単価を使います。
あなたのワンルームマンションの広さで適正家賃を求めてください。
理想の売却価格を決める
次にあなたが売りたいと考える理想の売却価格を決めます。
売却価格を決める要素としては収益力が一番のポイントですが、収益力は様々な角度から計算できます。
収入はできるだけ高く、支出はできるだけ低く見積もることで高い収益力に見えます。
- 家賃：適正家賃と現在家賃を比べて高い方を採用
- 利回り：売却相場の平均値もしくは低い値
- 管理費・修繕積立金：他物件と比べて高ければ表面利回りで計算、安ければ実質利回りで計算
上記をもとに売却価格を算出してみましょう。
ワンルームマンション売却相場の調べ方のまとめ
ワンルームマンション売却相場の調べ方を次の6ステップでご紹介しました。
- 家賃の相場を調べる
- 利回りの相場を調べる
- ローン残高を考慮する
- 実質利回りを計算する
- 最低売却価格を決める
- 理想の売却価格を決める
ワンルームマンションは売れるまで3ヶ月から6ヶ月の期間が必要です。
適正な価格で売りに出していてそれくらいですから、相場から乖離した価格だとさらに時間がかかります。
- 周辺の相場を調べて売れやすい価格、売れにくい価格を把握する
- 売る時に迷わないよう、最低売却価格と理想の売却価格を決めておく
ワンルームマンションを売却する時には上記について事前に準備を済ませておき、数少ないチャンスをすみやかに決断できるように準備しておきましょう。
ワンルームマンションの売却価格が決まったら次のステップに進みましょう。
ワンルームマンション売却のステップはこちらで解説しています。
コメント